過去のラン

日本シングルマザー支援協会

一般社団法人日本シングルマザー支援協会では、個別カウンセリング、コミュニティを通じたイベントやディスカッションにより、会員の心と経済の安定を支援し、シングルマザー親子が自立した生活を送れるように支援しています。今回は、代表理事である江成道子さんにお話を伺いました。

子どもの教育と習い事に関する座談会/サッカー観戦会の様子(2021年6月27日実施)

日本シングルマザー支援協会を始めたきっかけを教えてください。

協会を設立する前の話になりますが、前職のママ友とランチ会をしたときに、そこには図らずも「自立したシングルマザー」が集まっていました。話を聞いてみると、人それぞれ立場や環境は違うけれど、経済的に自立できる「コツ」があることに気が付きました。その時「私も最初にコツを教えてくれた人がいたら、こんなに苦労しなかっただろうなぁ」という想いから「日本シングルマザー支援協会」を設立するに至りました。

自立したシングルマザーになるための「コツ」とはなんでしょうか?

一言でいうと、「考え方」に尽きると思います。現在の感情だけで行動せず、将来を見据えて「この子のために、何を果たせばよいのか?」を考えて行動しているシングルマザーは、比較的多くの収入を得て、自立できている事が多いです。また、他人のせいにしたい時にも「自分はどうすれば良かったのか?」と置き換えられる考え方も重要です。他人のせいにするのは簡単ですが、それでは、物事から学んで、自分の糧にすることは難しいからです。

経済的な自立が難しい方はどうすればよいとお考えですか?

環境や経験は人それぞれですので「コツ」をお伝えしても、経済的な自立が難しい方がいらっしゃることは、もちろん認識しています。そのような方には、「国の経済的支援」が必要だと考えます。
私が問題視しているのは「シングルマザー=経済的支援を受ける権利がある」という考え方、社会の仕組みです。背中を少し押しただけで自立できるシングルマザーに対し、安易に「現金を支給する」という手段を使う・使わせた結果、本当に困っている人に対して手厚い支援ができなくなります。社会が、シングルマザーを自立させないことは、百害あって一利なしと考えます。

協会では、シングルマザーの経済的な自立をメインに支援しているのですか?

多くのシングルマザーが経済的支援を必要としている実態と私の経験から、経済的な自立が最も分かりやすい例としてお話しましたが、子供と一緒にいることを悩んでいたり、働くことが悩みだったり、経済的に自立している一方で、子供との時間を確保できないことが悩みだったり、悩みは千差万別です。私も、協会の活動を通じて多くの方の相談を受けたことによって、様々な悩みがあることを皆様から教えて頂きました。その経験則を踏まえ、今、悩んでいるシングルマザーが幸福になれるための糸口を一緒に見つけられたらいいなと思っています。

研修・講演の模様

これまで、困難だったことは何ですか?

おかげさまで、設立当初より、問い合わせは多数来ていたため、社会的ニーズが高いという実感はありました。ただ、マネタイズ(事業の収益化)する仕組みがなく、資金面ではとても困りました。最初は「講演料」くらいが収入の原資でしたが、活動している中で、シングルマザーだけではなく、企業からの問い合わせが多いことに気づきました。そこで、双方のニーズを上手く擦り合わせ、徐々にマネタイズができる仕組みを作ることができるようになりました。
私たち協会も、活動を継続させていくためには、寄付金だけに頼らず自立することが必要ですので、シングルマザーの相談を聞くだけに留まらず、価値のあるサービスを有償で提供することも必要だと考えています。活動資金を確保することができれば、その分、支援活動を多様化したり、全国に拡大したり、様々な取組みが行えるようになり、ひいてはシングルマザーに対する効果的な支援に繋がります。
偉そうに言いましたが、自立できる環境が整ったのは、ここ最近の話で、設立から6年間くらいは特に大変でした。

FIT資金の使途について教えてください。

スタッフが少ない中で、どのように活動を広げ、対応していくかが課題でした。そこで、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を図かるべく、Salesforceの導入を決め、その導入資金に使わせて頂きました。今までは相談内容を紙で記録はしていたものの、情報やナレッジは頭の中から出していました。それが、Salesforceの導入をきっかけに、今では相談1件1件を記録・データベース化、さらに会員情報を分析・パターン化することに成功しました。これにより、会員様に対し「支援する」ことよりも、一緒に「解決する」ことの有効性をデータで確認することができました。人員は少ないですが、今では全国からの相談に効率よく対応できています。

日本シングルマザー支援協会は、社会からのどのような支援を求めていますか?

コロナ渦にも関わらず、たくさんの方々から経済的なご支援を頂いたことで、新たな取組みにもチャレンジすることができ、おかげ様で大変助かっています。一方、経済的なご支援以外で言うと、シングルマザーが地元で働ける社会環境を作って頂けると助かります。
シングルマザーの中には、出産・育児とキャリアを天秤にかけた結果、キャリアを絶ってしまった優秀な方々がたくさんいらっしゃいます。最近では、ようやく社会問題として取り上げられるようになりましたが、このような方をスムーズに受け入れられる社会になるにはまだまだ時間がかかるでしょう。
そこで、例えば、全国展開されている大企業や中小企業において、地元のシングルマザーを雇用してもらう機会を増やして貰えれば、シングルマザーにとっては、経済的にも精神的にも助かります。シングルマザーの大半は勤務時間に制約がありますが、「色眼鏡」で見ずに、会社で「どのように活躍してもらえるか」を検討して頂けると、それが大きな支援になると思っています。
今の日本においては、中小企業に元気になってもらい、雇用を創出してもらうことが、シングルマザーにとっても最大の支援になるのかもしれませんね。

今後の目標をお聞かせください。

私たち日本シングルマザー支援協会は、困っているシングルマザーを支援することが責務です。
社会全体が変わり、シングルマザーという立場での悩みが解消され、「日本シングルマザー支援協会」がなくなることが最終的な目標だと思っています。

私たちとして何ができるでしょうか。

コロナの影響で直接この場所で何かして頂くのは難しいかもしれませんが、企業様達の中で「こどもホスピス」への理解を深めて頂く勉強会等をして頂き、多くの皆様に「こどもホスピス」知って考えていただけるような機会をいただけると助かります。コロナの状況が良くなりましたら、是非見学にもいらして下さい。

代表理事の江成さん(中央)と、FIT2022実行委員の山本(左)、宮村(右)

日本シングルマザー支援協会
https://xn--qckmb1noc2bzdv147ah7h.com/

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005