有限会社ファーム建設トップ対談

住宅に困っている方に「家賃を支払い、住宅を購入できる」しくみを

 

江成)協会の会員さんの中で自立を実現する方が増えてきて、住宅の所有など、そういった情報が必要になってきたんだと嬉しく思います。
収入に困っていた人たちが自立をし収入を得ると何かが欲しい。
主婦脳から世帯主脳に変化することでいろんなことに興味を持ちプラスαを手に入れたくなる。そう、感じています。

では、よろしくお願いします。

今回のしくみについて少しご説明いただけますか?

藤井)こちらの施策は神奈川県の「経営革新計画」から承認を得た事業となります。神奈川県から応援していただいている事業となりまして

簡単に言うと、家賃をフツーに支払っていただくだけでいいです。

例えば、1か月の家賃が7万円だとします。7万×12ヶ月=84万円になります。84万円の10%は84,000円です。弊社が提示している物件が700万円だとします。700万-84,000=6,916,000円で一年後家が購入できます。二年目以降になりますと3%加算されますので、総支払合計の13%、3年後16%、4年後19%とだんだん増えていきます。価格から引いていくので7~10年後には買えます。買える価格になっています。別に買わなくてもいいんです。ずっと家賃を支払うという形でもいいんです。

江成)最後まで家賃であろうが、途中で購入であろうがいいわけですね。

藤井)住んでいる方が「いらないです」というなら無理やり押し付けたりはしないので、いらない方は今までとおりでいいんです。

江成)10年たって「支払い終わったのであなたの物になりますよ」「それでもいらないです」ってなれば家賃払い続ければいいんですね(笑)

藤井)はい。しかし、それだけではつまらないので、2年に1回とか「更新料」がありますよね。更新料は一般と同じく発生するので、そのかわり「リフォーム」をプレゼントします。程度が良くリフォームするところがなければ、高圧洗浄で家回りをきれいにするとかですね、無償でしようと思います。また、購入が決定した方には「売買(Byebye)リフォーム」を考えています。

江成)売買とByebye(さようなら)をかけているんですね!可愛いですね(笑)

神奈川県も応援している事業で安心ですし、素晴らしいです。私たちも初めて聞きました。

藤井)行政の方にも聞いたことがないといわれました。似ているものはありました。行政に提示する時に類似のものは調べたところ3.4社ありました。高額なマンションや、あとは戸建てで、北関東・大阪にあります。しかし、何かに特化しているわけではないので誰でも購入できます。しかし、当社では住宅に困っている方を中心にしています。

江成)家賃は私ももったいないと思っています。私が住んでいる地域の家賃相場は8万9万円くらいなんですが、少し相場より高いので、いいところないですか?

2年半前まで駅から少し離れたところに住んでいて、築45年くらいの物件で一軒家で駐車場ついて3LDK、家賃8万円だったんです。ここって買ったら1千万円くらいかな~?なんて思っていたんです。

藤井)600万円くらいですね。そうすると8万円を払っていたなら、結構早い段階で買えますね。

江成)6年は住みました!相当、払ってますよね。

藤井)当社のシステムでしたら、買えてますね(笑)

江成)そういう意味では、みなさん家賃は払っているので、こういったお話があるだけでも、初めて「住宅って買えるのかも?」って思えるようになったりもするのかなと思います。そういう道が開けるだけでも、やりがいが広がるのかなと思います。

 

家賃のような形式で住宅を購入できるという仕組みですが、この仕組みを思いついたきっかけは?

藤井)当社は建設会社なんですね。不動産でもあります。

既存の事業から新しい事業を生み出したいと思った時に、今までにないものをやりたいと。

創業38年・地域密着でやってきています。やってはきていますが、「本当に地域貢献をしているのだろうか?」という疑問もあり、もう少し踏み込んだことを考えたかったんです。

お客様から依頼があって工事するのは当たり前です。それだけで地域貢献とは言えないのではないかと。

藤井)だからといって事業として出来ないものをやると継続出来ないので、事業として継続して、なおかつ地域にも、地域の人のためにもなることはないかなと思っていた時に思いついたのがこの方法でした。そもそも、疑問があったんです、みなさんずっと家賃を払っていますが自分のものにはならない。

江成)ならないですね、一生(笑)

藤井)かたや、ローンを払って家を買う方もいらっしゃる。ほとんど払っているお金も変わらないケースもあり、前々から不思議に思っていて(もともと不動産業出身ではないので)思いつきました。思いついただけでは(現実に)出来ないので、いろいろ調べました。一番驚いたのが、こんなに物があふれている時代なのに「住む家に困っている人がいる」といことにビックリしたんです。国のほうでは『住宅確保要配慮者』という名称が付けられています。そういう方がたくさんいる。シングルマザーを筆頭に、高齢者・障碍者の方・若者夫婦など。そういう方がうまくいくような形が出来ないかと思った結果、今の形になったんです。

江成)確かに貧困って意外とループに入ってしまい「所得も低い」「マインドも低い」となると住宅購入なんて『夢のまた夢』になっていくところがあると思います。でも今回のようなご提案をいただけるとそのループからも抜け出せるのかな?というイメージが持てますね。

藤井)家を誰でも買えるようになればと思っているんです。高いじゃないですか?

~一同(笑)~

藤井)僕ですら買えないですから。

江成)キリないですからね。

藤井)誰でも買えるようにしてあげたい。しかも、なおかつフツーに負担なく家賃を払うように(家賃なんですけど)買えるようにしたいと思いました。

シングルマザーに限定してしまいますと、お母さんが買えないかもしれませんが、お子さんが買えるようにしたい。まず契約者はお母さんかもしれないですが、お子さんが大きくなり経済力がお母さんよりあってローンが組めるようであれば、お母さんから見て三等親内であれば契約者でなくても買えるようにしたんです。

江成)そのおうちを?お母さんが家賃を払ってきたおうちですね。ある意味、残金と言っていいのかわかりませんが、その部分をお子さんが払っていくという。

藤井)お子さん自体もお母さんのことが心配だと思うんです。(家が)なんだ200万円くらいで買えるんだ!?ってなれば、お子さんだって「じゃあ、買ってあげてずっとこのまま住んでもらえるならいいかな?」ってなりませんか?

江成)2.300万円であればまともに働いていれば払えない額ではないということですね。親のために残りを払って買ってあげることも出来るのですね。

藤井)そういうことも考えているんです。

江成)お母さんが今まで払ってきたものがあるから安くなってきているわけで、お母さんもただおんぶに抱っこではないですね。

 

ファーム建設さんは、お父様から引き継がれたようですが、さきほど最初から不動産屋ではなかったとおっしゃってましたが今までの経緯を教えてください。

藤井)もともと音楽をやってました。バンドマンでした。そのあと自分で音楽のイベント会社をおこしたり、あとはIT系の事業をしてました。

江成)そのあとに継ぐことになったんですね

藤井)そうですね。そして今に至る感じです。今回の事業もそうですけど、既存の不動産・建設業者さんからすると「やっていることが不動産屋じゃない」と。「考えていることが違いすぎる」と(笑)僕からすると違うとは思わないのですが、そうよく言われますね。

江成)新しい視点が入ることで同じ業界内でもイノベーションが起きるということがあると思うのですが、そういったところを藤井社長はお持ちだと思います。

 

この事業以外になにか独自のものってありましたか?

藤井)独自のものってことではないですが、築100年の家を探そうかなと考えています。戸建ては築20年までって言われるんですが、20年以上でも価値はあります。現に、20年でも30年でも家は建ってます。この間、築92年の家を買った方がいらっしゃいました。

最近、見させてもらったのですが売り主の方そこに住んでいます。すごいなと思いました。

江成)古民家とかありますものね。鎌倉などにも古民家多いですよね。

藤井社長のような方が社長さんだと、消費者目線というか独特な事業を考えることができるのですね。

藤井)他業種からきたからですかね。建設業者さんでは珍しくリフォームもクレジットカードでの支払いが出来るんです。ポイントがつくのでお客さまは喜んでくれます。女性は特に喜んでくれます。一括で払いますがクレジットカードで!となるんですよ。また、現金との併用も出来てクレジットカードの支払い金額も選択していただけます。

江成)それによってお客様に選択肢を与えているんですね。

藤井)こんなにキャッシュレス化になっているのに、なぜ建築業界は現金なんだろうって。

現金を用意したり、振込だったり面倒くさいじゃないですか。お客様目線で思おうとそのほうがラクだしポイントつくしと思いますが、そこが変わっているといわれます。

江成)そのあたりは目利きというかチャレンジしても引き際が上手ですね。

藤井)出来ないことはやらないだけです。自分がわかることはやったほうがいいと思うんですが、わからないことは深追いし失敗の可能性もあるので、わかる範囲のことを少しプラスαするのがうまくいくと思います。

 

今回どうやって進めていこうかと思うんですが。

江成)この地域でこれだけの家賃を払っているが、何かいい物件はありませんか?という方を集めてみるのか、逆に、こういう物件があるので住みたい方はいるのかと聞いていくのか

藤井)両方いいなと思います。両方いけます!

江成)神奈川県限定ですか?

藤井)今のところは神奈川県限定で考えています。実績が出てきたら、広げたいと思います。

江成)全国可能といえば可能ですか?物件が安ければ長野とか?〇〇の〇〇で家賃が××でと希望があって物件を探してマッチング。なければごめんなさい。みたいな形はいかがですか?

藤井)将来的には面白いですよね。地域関係なく全国とかできたらいいですよね。

江成)一応、全国組織なのでお考えいただけたらなと思います。

 

このシステム嫌がるんです!

藤井)この事業は、不動産業者さんは嫌がるんですよ。半永久的に家賃をいただきたいですからね。それを覆すことをやっているんです。

家賃が一緒だったら、人間の感覚として手に入るほうと手に入らないほうだったら、手に入るほうを考えますよね。

江成)多くの方が払っているものですが、もったいないと思っているのが意外と家賃」だったりしますよね。しかも、削れないので、それが価値を生むのはすごくありがたいです。

藤井)不動産業者が嫌がることって、実は消費者のニーズなんです。事業する側の嫌がる「めんどくさい」「手間がかかる」ことがお客様のニーズだと思います。

 

不動産業界が変わる!

藤井)これから、ベンチャーの外資系不動産業者が日本に参入してきます。

たぶん、日本の不動産業界が壊れます。

江成)日本って独特なんですってね。敷金。礼金は海外にはないそうですよね。

藤井)敷金・礼金があるのは関東近郊だけだと思います。関西には、礼金がありませんからね。「なんで家を借りるのに、礼をしなければいけないの?」礼金は説明しても全くわからないんですよ。

藤井)インドから来ている不動産業者がいまして、定額を支払えば住み放題!その会社が契約しているところであれば住み替え可能。家具・家電付きのシェアハウスではなくアパートです。3日住んでまた違う場所という暮らし方も可能なんです。

江成)日本の文化の中でいろんな業態が守ってきて変わらなかったというのが、ある意味グローバル的にみて弊害がでてきたのが、やはり見直しをかけていく中で

藤井社長のような情報も多く新しい感覚の方が変えていくのでは?

藤井)そんなことないですよ(笑)

 

最後に・・・

藤井)「カリカエル」とは。貸主)家賃をいただく。借主)いずれ買えるようになる。Win-Winの関係。弊社としては、長く借りていただきたい。長く借りてもらうためにはどうしたらいいのか?を考えたい。実際にこの事業をやって気づいた課題ですが、シングルマザーでも高齢者でも施しだけじゃなくシステムだけじゃなく二歩でも三歩でも踏み込んだことを将来的にはやらないと自立支援のようなことは確立できないと感じました。その思いがシングルマザー支援協会さんの想いと似ていたんです。

江成)ぜひ、社長さんのお客様で日本シングルマザー支援協会を知らないシングルマザーさんが来られたら、お仕事をご紹介しますのでよろしくお願いします。