性別役割意識から見る、ひとり親の貧困とは?
普段は、シングルマザーの支援のみをしていますが、自治体とのお仕事はひとり親支援となるので、シングルファザーも支援します。
シングルファザーの方も訪問相談はさせてもらっています。この事業を活用されるシングルファザーの方は、実家ではなない方がほとんどです。シングルマザーは実家の方もいらっしゃいます。
ひとりでワンオペで子育てと仕事の両立をされている男性の特徴としては、女性と同じく、時間の都合がつく仕事を選んでいます。が、この時間の考え方が男性と女性では違うことが多いです。
女性はこどもに合わせた中で、働ける時間を見つけて働きます。いわゆるパート勤務が多いです。しかし男性は、最低限必要な収入を確保できる時間の中で、こどもとの生活に折り合いを付けて働かれています。先ずは生活のための収入を考えてから、その中でできる限りこどもとの時間を作ることを考えているなという共通点が見えます。
離婚後、と考えると、シングルファザーの方の場合、乳幼児を引き取っている印象はあまりないので、保育園のお迎え問題は少ないかもしれません。もちろん、いらっしゃることは理解しています。また、女性でも収入を中心に仕事を選択している方も多いのも事実です。そのような方に生活困窮は少ないという傾向も見えます。
この違いが出るのは、男性は無意識に世帯主として考える癖があり、女性は無意識に主婦として考える癖があり、正しい選択と考えることが違うのでしょう。これは当事者がどうのではなく、日本には無意識の性別役割が染みついているからだと考えます。
私のように、働くシングルマザーに育てられた場合は、性別役割が染みついていません。母でも父でも家計のために働く人しか見て育っていないので、それが当たり前でした。
別のケースで見ると、奥さんが働くのを嫌がる男性は、専業主婦に育てられた人が多い傾向があります。父親が昭和な人で、それに従っていた母親をずっと見てきた男性は、自分の妻にも無意識にそれを求めます。昭和の人ほど経済力が持てない今でも、奥さんが家計のために仕方なくパートに出ても助けてはくれません。
何故なら、性別役割が染みついているからです。
こう考えると、誰が悪いとは言えない気もします。
自分が持つ性別役割がどういうものか?を知り、パートナーの性別役割がどういうものか?を確認し、将来的にどのような家庭での役割を担いあえるのかを話し合ってから結婚した方がいいですね。
これをしないから、日本の離婚理由の不動の1位は、性格の不一致なのではないでしょうか?