シングルマザーの可能性を信じて・・・
「その考え方なら何も心配ないよ」というシングルマザーは多いなと、個別相談で感じている江成です。
しかし本人は不安なんです。ちゃんと伝えてあげる役割がいることで、前に進める人も多いのです。相談は解決に向かって進むことです。安心するだけで進めることも多いです。
■女性の不安を理解しない女性活躍は成立しない?■
女性は男性よりも不安を作りやすい。これは子どもを育てる中で必要な要素で、脳の仕組みなので当たり前ですが、社会の中であまりにも理解されていないのを感じます。
社会の中で揉まれていれば、そこまで大きな課題にはなりませんが、一度家庭に入った後、不安が恐怖心へと成長し、前に進むのがどれだけ難しいことになっているのか、ここが女性活躍で抜け落ちていて、しかも無くてはならないものだと感じています。
この仕組みが見当たらない。
以前、大企業の支社長の方に言われたことがあります。「内閣府の女性活躍セミナーに、優秀な社員に参加してもらい、女性活躍を促進できると思ったが、帰ってきて言われたのが、『あんな凄い女性みたいなことできません』という感想だった」と。
ずっと社会の中にいたり、ある程度恵まれた環境にいる人は決して多くない。多くは家庭に入り、子どもを育て、社会と隔たりができ、「私は大丈夫か」「受け入れてもらえるのか」などの不安を持ってしまうもの。その不安はやがて恐怖心へと育っていく。
この払しょくから始めることで、前に進める人はたくさんでてきます。管理職を増やすとかは、もっと先の話しです。
この地点にいる人って、理解されない社会から見ると、「やる気が無い」「能力が無い」「素直じゃない」などと誤解されやすいです。こう誤解されていることに本人は気づいていないので、「私がダメなんだ」と更に自信を失っていくという負のループに陥ります。
そうすると更に「やる気が無い」「能力が低い」「素直じゃない」と思われるようになります。全部誤解なんですが・・・
その結果、「出来ない人」「無理させちゃいけない人」という扱いになり、何となく社会も女性側もそこでしっくりと収まってしまった。それが今の状態のような気がします。
■妻が社会で活躍することを応援できる夫が増えれば・・・■
相談業務の中で意外と多いのが、離婚したいという女性の中で、働くだけで夫婦関係も良くなるだろうと感じる人です。
自信を失っていく過程の初期の頃は、「自分はもっと何かできるんじゃないか?」と心では思っています。しかし現実子どもの世話や家事があり、夫が外で働き自分が家のことをするのが当たり前になっているので、変化を起こすこと自体が難しくなってきます。せいぜいパートとなります。
その想いが夫への苛立ちになっている人も少なくないのです。
子育てって自分軸がかなりしっかりしている人じゃないと、自分で満足して楽しむのは難しい気がします。他人の評価はほぼ受けない。やっていることは当たり前とされる。この環境で自分で楽しめて満足できる人は、相当軸が強いです。
私はできませんでしたね。社会で努力を認められる方が満足度が高かったです。
ド満足で専業主婦の方、精神的自立が誰よりもできているなと感じます。
初期の頃にイライラを夫にぶつけ、協力してくれて社会復帰ができれば、仲良く余裕のある生活を得ることも可能でしょう。問題はこのイライラで不仲になり、この期間が5年、10年と過ぎてしまうと、イライラが不安になり、不安が恐怖心になり、夫婦仲は悪くなる一方でも、社会に復帰するパワーも失ってしまいます。
これが女性の50代問題です。
自信を完全に失ってしまう前に、早い段階で自分にあった形で社会に関わっていく。子どもにとってはただ時間として一緒にいれくれる人より、前を向いて進んでいる人の側にいる方が、良い影響となり良い連鎖が生れることでしょう。