収入を下げればお金を返さなくていいので仕事辞めてもいいですか?
誰でも予想できることが現実になりそうですね。怖いですね。
■シングルマザーに限らず母親は大変な状況であることは変わってはいない■
コロナ禍でシングルマザーにはたくさんの支援金が出ました。ギリギリで生活している人にとっては、職を失えば明日は無いし、仕事に行け無くなれば同じく明日は無い。今でも保育園の休園が続いていたりするので、シングルマザーに限らず母親は大変な状況であることは変わってはいない。
という背景の中で、一昨年は相談時にも「社協にお金を借りました」という方がとても増えました。それもかなりの金額。明日どう暮らすか?と考えれば背に腹は代えられないので、この施策は有難いとも言えますが、あまりにも焼け石に水策過ぎて正直「後が怖い・・・」と感じました。
今日のニュースを見て記事を書いています。
思った通りで、昨年以降は「収入を下げれば社協にお金を返さなくていいので仕事辞めてもいいですか?」というような内容の相談が増えました。
「今」仕事を辞めれば、80万円の借金が無くなる。「未来」のためにキャリアを考えて仕事を続ければ80万円の借金が残る・・・
お金が無いと、未来を考える余裕って無くなります。これはシングルマザーに限らず、経営者でも生活困窮しているその他の大人でも同じです。もちろん私もそうなります。このことを踏まえても、4860万の返済を拒んでいる人のことも気になります。
シングルマザーに話を戻すと、40代、50代になって、仕事を辞めてしまった場合、ここまでも生活が苦しいのに、80万円の借金が無くなったとしても、長期視点で見ても生活を安定させることは更に厳しくなります。
実はこれ、大学無償化でも同じことが起こっています。収入を減らせば子どもたちの学費が無償化になると、50代前後の女性が仕事を辞めてしまったり、正社員からパートになったりしている現実があります。しかも行政の窓口でも「収入を減らしたらいいのでは?」とアドバイスをするそうです。
■更なる貧困者が増えるのをコロナのせいにしてはいけない■
行政の施策には、「未来を構築」するが欠けているのを感じます。なぜ欠けているかと言うと、私の肌感ですが、貧困の現状は理解しているかもしれませんが、貧困に陥るメカニズムと貧困者が陥る思考という視点が欠けているからではないかと思います。
一言で言うと、俯瞰ができていないです。
これが更に酷い貧困の現状を作り、子どもたちまでを貧困の連鎖に巻き込んでいるような気がしてならないです。何故なら私たちが支援している方たちは、話せばすぐに理解して、行動を変化させることができるからです。
それには本人が苦しい時期を過ごすこともあるし、私たちも攻撃されることもあります。今の自分を変化させるわけですから、苦しくなったり、他人に八つ当たりしたくなったりするのは当たり前だと思います。
伝えても伝えても伝わらないこともたくさんあります。でも中にはそういう事があったとしても、それ以上の方が「そういうことね」と考えを変え行動を変えることで貧困に陥らずに済み、親子が笑顔でいられることが多いのです。
厳しい現実を見ずに貧困対策はできないです。それは本人も(私も苦しかったです)、支援者もです。
更なる貧困者が増えるのをコロナのせいにしてはいけない。これは今まで放置してきたことが露呈しただけではないでしょうか?
政治家の方たちにはもっと根本的解決をお願いしたい。何故なら、貧困対策が根本的解決に移行すれば、苦しむ人が必ず減ります。