シングルマザーは世帯主、パート主婦向けの仕事では家計が崩壊してしまう
昨日、長年訴え続けてきたことを、評価委員会の場で発言したところ、私以外の委員の方が「江成委員が言ったことは、重要な課題で、早急に検討することです」と発言してくれたんです。今後どう動くかは分かりませんが、理解者が増えることは本当に嬉しかったです。
ひとり親の自立支援、という言葉を使っているにも関わらず、自立できない仕事を、当たり前のようにシングルマザーに推奨していることが多いんです。
皆さん真面目だから、相談に行って、学びに行って資格を取得して、意気揚々と就職しようと思うと、正社員の仕事が無い、という現実に最初にぶつかる。しかし自治体で勧めたことだから自立できる仕事だと思い、非正規でも職に就く。しかし頑張っても頑張っても正社員にもなれないし、収入は低いまま。
「生活が安定しません」「教育費の不安が・・・」と、数年後に相談に来られた方に、「そもそもその資格で生活は安定できません」と伝え直し、ここからまた新しい挑戦をすることになります。
「どうして、ずっと推奨しているのでしょうね」という意見もあったので、「広告が女性向けの資格として広めたので、世帯主の女性も同じように人気資格なので、受講してもらうのは難しくないからでしょう」と伝えました。
シングルマザーは世帯主なので、パート主婦向けの仕事に就いては、家計が崩壊してしまう、ということを知る機会がないんです。また、女性は収入が低くてもいい、という無意識の当たり前は、どんだけジェンダーレスだ、男女平等だと言っていても、変わらないんです。
支援者も支援を受ける側も、ここは一致してしまっている無意識なので、結果シングルマザーの貧困は減らないんです。
設立当初からずっと伝えてきたこと、協会内では、「生活安定のためには目指してはいけない資格」と言い続けているので理解している会員さんは多いですが、10年経っても、自治体には理解してもらえなかったので、昨日はとても嬉しかったです。
シングルマザーを含む、女性の自立の実現は、社会全体の無意識の当たり前から変えていかなければ、何年経っても、いくら税金をつぎ込んでも解決できず、結果貧困高齢女性の爆増ということに繋がります。
日本シングルマザー支援協会が目指すことは、こどもまんなか・シングルマザー支援であり、「こどものための成育環境/自分のための老後環境」を整える支援です。