自立を諦めてしまう・・・

自宅の前が、小学生の登校班の集合場所になっています。今日も元気な「おはようございます」が聞こえてきました。幸せな朝です。



”2児を育てるシングルマザーの生活保護費は「手取り22万円」だが…受給をやめて“働いた場合”の「驚きの手取り額」”
この記事に書いてあることとは、よく直面します。
こどもが多ければ多いほど、社会復帰した時に稼げるだろう年収のイメージと、実際に生活保護の手取り額を給与でもらったと想定する年収との差が拡がります。

私自身、こども5人連れて役所に相談に行った時に生活保護を勧められました。私は、私の母親が働いて私たちを育ててくれていたので、生活保護を自分が受給するイメージはできずにその場を去り、その後役所に相談することを諦めました。私の求める解決策を提示してくれないことが分かったので。

後に、もし私があの時に勧められるままに生活保護を受給していたら、40万程度もらえたと知り驚きました。手取り40万だと、年収だと600万以上、その時の私が働いて稼げる金額としては想像もできない額です。

それを何故断ったかと言うと、生活保護のイメージとして、そんなにもらえるなんて知識が無いからです。もし勧められるがままに受給していたら、私の場合は抜けるのは難しく、日本シングルマザー支援協会の設立も無かったでしょう。

私の場合はこどもが多いので、ここまで差が出てしまいますが、こどもが2人くらいでも、シングルマザーの平均年収は優に超える年収になります。

「こどもが高校に入る前に抜けたいです。こどもには生活保護の制限無く生活させてあげたい」という相談は比較的多いです。この時に、「今の手取りを稼ぐ場合は400万くらいの年収が必要なんです」と伝えると、皆さんその差を知らず、とても驚き、自立を諦めてしまうケースが圧倒的です。

中には、収入を一旦下げても抜けたいという、強い意志の元抜けられる方もいらっしゃいますが、相当の努力が必要となります。また、役所から抜けることを止められるので、それで改めて諦めてしまう人も少なくないです。

制度としては、日本の福祉制度の代表として、世界に誇れる制度です。しかし、制度が創られた時と時代が変化しているにも拘らず、制度が古く、制度を利用する方の想定数と利用しない人の数とのバランスが悪くなっています。

「最低限の生活」と言われて生活を送っているので、自立を目指した後の生活が、今の最低限の生活以下になるとは想像できないです。

「守る」という考えはとても大事ですが、数のバランスが崩れた今、一部の「守る」が全体を「壊す」になっていませんか?

この制度だけの問題ではないので、ここだけ切り取って考えることはできませんが、今一度、全体のバランスを計り、制度を見直す時ではないかなと感じています。

自立できる人を、自立させない仕組みがある。福祉とは幸せになることです。依存の中に幸せはありません。小さくとも自分の足で立っているという実感が自己肯定にも繋がり、幸せと感じられる日々を得られるのではないでしょうか?