シングルマザー支援、ただ単に課題を先送りしている?

シングルマザー親子の自立を助ける団体、日本シングルマザー支援協会の江成です。

Jキャリア

シングルマザーの課題を、本質から解決しようとすると、「シングルマザーであることが原因」とすると問題がズレていきます。

シングルマザーの中にも自立している人はたくさんいます。離婚の時に夫より収入が高かった人もいます。児童扶養手当の受給者は、全体の8割です。2割の方は受給対象者ではありません。

受給対象者で無い方も、自身の所得が超えた方、実家などに住んでいることで世帯所得が超えた方がいます。またこどもの人数によっても、所得が同じでも制限額が違うので、お子さんが1人の場合は受給ができなくなるケースもあります。また養育費が多額で申告をしている場合も、養育費額の8割は自身の所得になるので、児童扶養手当対象外となることもあります。

本人の経済的自立とは関係ないことも多いです。

以前の相談で、養育費が多額だが本人が働くことが難しいケースがあり、養育費の申告をしていなかった方が役所に相談に行き、生活保護を勧められていました。養育費の額を申告しないことは問題はありませんが、生活保護となると詐欺罪に問われることもありますよと伝えました。

自立している人の特徴は、とても簡単で世帯主としての仕事を持っています。どうしても世帯主としてではなく、被扶養者として生活できる場合は、自立へと進まないです。本人の意識だけではなく、周りもそれで良しとする環境があることが特徴です。

それで不安が無ければ何の問題もありませんが、ほとんどの人が「養育費が終わったらどうしよう」「親が病気になったらどうしよう」「自分の老後はどうなるんだろう」「子どもの教育費どうしよう」と大きな不安の中にいるのも事実です。

シングルマザーの貧困の問題を本質から解決しようとするならば、このような細かい状況も把握し、現状から未来を考えていく必要があります。今だけの支援も大事ですが、ただ単に課題を先送りしていることにもなります。

貧困高齢女性が今後爆増するだろうと私は考えています。子どもたちの未来もそれに大きく影響を受けます。そんな未来が見えているのに、何もしないなんてできないなと。

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