漠然とした不安と、ぶつけどころのない不満

年末に海老名で起きた、こども心中未遂事件。母親が3人のお子さんの命を奪いました。なぜ相談機能が上手く母親を救えなかったのか?を考えてみたいと思います。

シングルマザーできないをできるへ

■誰よりも子どもたちの未来を期待していた母親によって・・・■
この事件胸が痛みます。
未来あるお子さんの人生が終わってしまったこと。
そして、誰よりも子どもたちの未来を期待していた母親によって、この事件が起きてしまったこと。

これは社会の仕組みの歪みも、ひとつの原因です。犯してしまった罪によって本人の人生ももう終わったも同然という心境でしょう。実際に人生が終わってしまったのは4人です。

■私は誰かの経済的支援の元でないと暮らせない■
シングルマザーの自立支援をしていると、女性の自立が難しいのは、社会全体で女性の自立は難しい、出来ないと思っていることが最も大きな理由だと感じています。

「できない」と思っていることは「できない」んです。
「できる」と思って社会全体で取り組まなければ、「できる」にならないんです。

この雰囲気の中で、普通の女性の多くが自信を失っていきました。
「自立なんてできる訳がない」「私は誰かの経済的支援の元でないと暮らせない」

今のシングルマザー支援を見ていても、弱者を増やす支援にしか私には見えず、依存度を高め、将来の不安で押しつぶされそうな女性を増やしていると感じています。

■漠然とした不安と、ぶつけどころのない不満■
海老名の事件は両親も揃っている一般家庭で起こりました。母親は行政に支援も求めていたそうです。相談窓口はあっても、自分ひとりで子どもの課題と向き合うしか方法がない、という絶望感を感じたのではないかと私は想像しました。

社会から離れている期間が長いと、男性でも自信を失い、視野が狭まります。視野が狭まると解決力が下がるので絶望感を感じやすくなります。

この漠然とした不安と、ぶつけどころのない不満には、寄り添いが必要です。たまに一緒に考えてあげるではなく、ずっと一緒に考えてあげることが必要です。同じ悩みを共有して、視野を拡げて、解決する、又は納得するところまで寄り添っていかないといけないなと。

そこまで?と思うかもしれませんが、これは社会の雰囲気がここまで既に追い込んでしまったからなので、本人が弱いからではないと私は思います。

今の現状では、この寄り添いという相談が必要であり、今後女性の自立を社会全体で「できる」ことにしていけば、この制度はいらなくなるでしょう。今は両方を動かさないといけない時です。

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