≪トップ対談≫ 敷島交通株式会社さん

大阪市住之江区の敷島交通株式会社の松永社長にお話を聞いてきました。

とにかくパワフルな松永社長。
対談中もパワーをもらいっぱなしでした。
普段からよく、そう言われるそうです。

松永)私ね、銀行とか証券会社とかの人には、すごく良く言ってもらえるんです。会ったら元気になります、って言われます。
江成)本当にパワーありますね。ぜひ大阪でイベントやる時は、松永社長に講演をしてもらいたいです。その時は宜しくお願いします。

色々なセーフティー機能や、ユニバーサルデザインタクシーを積極的に取り入れています

江成)日本シングルマザー支援協会で取った100名アンケートの中で、タクシードライバーとして働くことで感じる不安として、「お客さまとの二人きりの空間が怖い」という声がありました。女性ドライバーは昔よりは増えていると思いますが、何か気を使われていることはありますか?
松永)女性は忙しいという事もあり、本来勤務は月間24勤務ですが、女性は22勤務にしています。2日減らしています。それ以外は特に差は付けていないですね。

江成)「密室な空間が怖い」ということへの対応策はありますか?
松永)今はドライブレコーダーがすごい性能がいいのよ。会話もきれいに入るからね。もし何かあった時は分かるようになってます。道に自信がないという場合もナビの性能も進化しているので、ちゃんと案内してくれるの。最初お客様に対してはね、「道がよく分からないんです」と伝える必要はあるけれどね。
江成)文明の利器ですね。ドライブレコーダーとかナビとか、事故も起きにくくなりますね。
松永)そうなの。弊社は新車をどんどん入れているの。今トヨタのジャパンタクシーを入れているの。ブレーキが掛かる(ぶつからないサポート)とか、逸脱したらブザーが鳴る(はみ出さないをサポート)とか、いろんなセーフティー機能がついているの。創業の時からトヨタの新車って決めているの。去年の10月にコンフォートというタクシーが製造中止になったの。最近は高さのあるバンみたいな形が増えていて、それがUD(ユニバーサルデザイン)タクシーと言って、ドアもスライドで車いすなどでも乗り降りが楽になりました。
江成)色んなお客様を想定して、高齢者など。乗り降りもしやすくなっているんですね。

松永)インバウンドで海外の方々のお客さまも増えて、車高が高いと背丈の大きな人でもゆったりした感じがあるの。大阪ではジャパンタクシーはいろいろな整備があるけれど、なかなか導入されていないのが現状。
江成)他のタクシー会社ではまだ進んでいないんですね。
松永)弊社はタクシー47台ですが、6台はジャパンタクシーを導入してるの。業界全体をみれば、弊社は高い確率で導入しています。他の会社の社長から「儲かっているんだな」って誤解されるんですよ(笑)

社屋の建て替え、自社養成、2種免許取得・・・職場環境を重要視

江成)もちろん利益も大事ですが、先ずは運転しやすさとかお客様の使いやすさに投資をされているのですね。
松永)設備投資はしてますね、社屋を立て替えたりもそうですし、色んな意味で職場の環境とかは重要視してるかな。
江成)先代の男性社長から、女性の社長に変わって、会社が変わったって社員の方がおっしゃることってありますか?
松永)先ずは社屋を立て替えたでしょ。養成もはじめました。1種(普通)免許を持っていれば、2種免許は入社後に会社の費用で取ってもらっています。今まで40年以上していなかったんです。理由は今までは経験者の方が多かったから。人材不足もあって、業界内で人が回っていても増えないでしょ?逆に高齢化になってしまうだけなんです。

江成)確かにタクシードライバーは高齢化してますね。私も家の方で乗ると70代の方とかが多いなと感じます。
松永)大阪タクシーセンターの調べによると、65歳以上の運転者が50%でした。弊社も調べたら平均年齢は63歳でした。若い30歳前後の人もいますが、70代もいるから。弊社は75歳で雇い止めをしています。65歳で正社員終わり、その後嘱託で75歳が雇い止めです。今回シンポジウムで講演した時に、資料作りのためにデータを取ったら、この5年間で16名の方が75歳で辞めてるのよ。でもそのうちの15名の人が次のタクシー会社に就職している。そういうのが実情なのよ
江成)そこまで続けたいと思われる人が多いのは、一度やると続けたい仕事になるんでしょうか?
松永)なかなかそこまで雇ってもらえないからというのが多いでしょうね。
江成)高齢者の雇用の問題ですね。

手取り40万円。稼げる人と、稼げない人の違いは?

江成)若い方にもっと働いてもらいたいと考えていらっしゃると思いますが、仕事のよさややりがいに気付いていない可能性があるかと思いますが、良さを伝えるとすると。
松永)以外と稼げるっていうことね。
江成)アンケート見ると、歩合だと稼げないんじゃないかと不安を持っている人も多いので、その辺は逆に稼げますよと。
松永)もちろん、それは個人のやる気次第ではあります。
江成)稼ぐ方ってどのくらい稼ぎますか?
松永)手取り40万円は超えていますよ。

江成)稼げる人と、稼げない人の違いは何があると思いますか?
松永)稼げない人はダラダラしているかな。稼ぎたい人は走り回りますね。いわゆる流し、パッと見つけてパッと行くでしょ。基本料金って680円なの、稼ぐ人は何回も680円のお客様を運んでる。それが特長かな。やっぱり意識よね。
江成)私は大阪に来ると、ほぼタクシーで動くんので、駅に行くことは無いんですが、以外とタクシー捕まえるの大変ですね。そう考えると流してくれている人がいるのかいないのかなんですね。
松永)今、配車アプリっていうのがあるのよ。弊社ではDiDiの配車アプリを入れているんです。テレビでもコマーシャルしていて、ソフトバンクが半分出資している会社が作っている配車アプリ。お客様がアプリを登録しているので、アプリを活用すると一番近いタクシーが迎えに来てくれる。先にお客様が、行き先を打ち込んでいるので、タクシーの中で伝える必要がなく、ドライバーにとっては、どこに行くかもわかるの。自動でナビの入力がされるので案内してくれるのよ。夜勤だと酔っぱらいの問題もあるけれど、配車アプリを使うお客さまは自分で登録をするので、泥酔している確率が低いのよ。

江成)タクシードライバーになりたいと思っても、普段タクシーを使わない方には、お客様の層がわからないかと思います。どんなお客様が多いですか?
松永)弊社は地域密着型なので、毎日のように病院通いの方とかが多いのよ。お迎えに行く場所も分かるし、行く病院も分かるのよ。申し訳ないのは、集中してしまってお断わりすることもあるということ。

「誰かのお役に立っている」というやりがい。「女性」という安心感

江成)タクシーって夜働かないと稼げないってイメージがありますが。
松永)もちろん夜勤の方が稼げます。しかし病院通いなど昼間の需要もある。お年寄りの方は足が悪かったりして、電車がしんどかったりしてタクシーをよく使ってくれる方も増えている。女性にとって誰かのお役に立っているというやりがいという意味では、高齢化社会に向けてやりがいのある仕事じゃないのかなと。
江成)そこに以外とタクシーの需要があるんですね。一人暮らしの高齢者も増えていますからね。比較的常連のお客さまというのも可能なんですね。
松永)後は買い物とかお墓参りとかね。女性が社会進出してきているから、女性のお客様も増えていくので、女性のドライバーだと安心してくれますね。大阪ではまだ女性の比率が1.8%ととても低いの。
江成)女性のドライバーの平均年齢は若いですか?
松永)そんなこともないわよ。50代の方も多いです。スーパーのレジなどで最低賃金で働いているよりは、タクシードライバーもいいと思います。フレックスタイムが利用できるのはすごく大きいと思うのよね。
テレビで見たんですが、ソフトバンクのキャッチャーの甲斐選手のお母さまはね、大分で子ども二人をタクシードライバーで育てたって、女手ひとつで。タクシードライバーを選んだ理由は、子どもたちのクラブチームの送り迎えがあるので時間の融通が利くということと、稼げるということで選んだって。今でも個人タクシーで頑張っているそうですよ。
洗濯物を干してきたとかね、雨降ってきた時は帰ってもいいのよね、毎日では困るけれど。午後から参観日がある時などもね、時間の融通が利きますよ。

23年間の専業主婦から突然

江成)松永社長の今までのことを教えてもらえますか?
松永)私は結婚以来23年間、子ども3人を育ててた専業主婦でした。ところが9年前に急に主人が体調悪くなって出社できなくなったの。
江成)ご主人様が社長さんだったんですね。
松永)主人の父が創業して、その時は主人の父は会長で、主人が社長でしたが、体調不良で出社ができなくなってしまって。それで私が会社に来たのよ。組合の委員長とかが、「どうして奥さんが来られたんですか?」って(笑)。全くのド素人じゃないですか。「だって子ども3人いるし生活あるし」って感じでした。それからは運行管理者資格を取り、はじめは「奥さん奥さん」って呼ばれてて、主人も生きてたからね。そのうちにタクシー協会の役職に就かせていただいたり、業界的にも役職をいただいて、そういうなかで段々認められてきた。社屋を立て替えたりといろんなことをやるので、認めてもらえたんだと思います。
江成)積極的に会社に入られてからは動かれたんですね。
松永)すごい動いたわね。

江成)専業主婦から突然会社に入って、それだけ動けるという考えはどこから生まれてきたんですか?
松永)ずっと専業主婦だったんだけど、ここに入るちょっと前にシュガーレディっていう、冷凍食品の高級宅配のマネージャーをやってたのよ。
江成)働きにでてたんですか?
松永)働きに出てったって言うか、家でチームミーティングしたり、会社には月に1回くらいの感じです。外交員みたいな感じになるのかしら。元々はシュガーレディのお客で冷凍食品を食べていた方でした。ちょっと高級なのでお医者さんの奥さんが配達してくれてたんだけど、その人が自分の病院を手伝うことになり辞めることになったの。私は家に人がきてもらうの平気な人なので、お鍋のパーティーなど自宅解放がOKなので、「誰が次は配達するの?」となり、「それなら松永さんやったら」みたいになって、1年間配達してたんです、シュガーレディになって。1年間で良い成績になって、東京にご招待があって、会社の方からマネージャーになってくれって言われて、次の年からマネージャーをやってました。

江成)結婚前って何をされたんですか?
松永)結婚前はね、住友化学の宝塚総合研究所で、タンスにゴンとかに使用する薬剤があって、農薬を扱う部署にいて研究助手をしてたの。
江成)全然営業畑じゃないんですね。
松永)全然、白衣来てエアゾールを作ったりね、
江成)専業主婦だった時には、こちらの経営とかは
松永)全く関わっていないの。会社の前を1、2回通ったくらい。主人の父の奥さん、お姑さんも全く携わってなかったし。
私は体が弱かったので、お見合いで結婚したんだけど、古くからの会社ですし、お気楽に専業主婦としていられると父も思ったんで、お見合いで結婚したんです。
江成)あそこだったら家のことをやっていれば大丈夫だと
松永)そうそうそう。だからずっとこども3人の教育ママ的にやってました。子ども会のこともやったり、地域のこともやったりしてました。そう普通にやってました。

仕事と子育ての両立。朝ごはんも夕ご飯も作れていました。

江成)会社に入られた時、お子さんおいくつだったんですか?
松永)一番下が10歳
江成)まだ小さいですよね。教育ママだったりと、家庭に比重が多かった中で、仕事の比重が多くなってくると、子育てで何か苦労はありましたか?
松永)男男女で、みんな中学受験からさせたんだけど、三人三様。10歳の子って女の子で、ある程度女の子って私の中では可愛く育てたらいいかなって感じで習い事とかさせてたから、塾も行かせてましたけど。女の子ってしっかりしているので、それで大丈夫だったかな。その後受験もしましたね。

江成)子育てとの両立に意識しましたか
松永)でも、ここで夜遅くまで働いてるってわけではないので、夕方までですし、時間的には充分夕飯も作れる時間だったんで、ちゃんと朝ご飯も作って、家事はちゃんとできてたかな。
江成)全然負担を感じてないんですね。多くの人が家庭を中心からお仕事はじめると、すごい大変だっていう風に思いますが。
松永)よく、「松永さんって1日24時間じゃないんじゃない」って言われる。それは、朝もちゃんとお味噌汁作って、ご飯炊いてお魚焼いてましたから。今ももし専業主婦だったらめちゃくちゃ暇やなって。逆に専業主婦の時はランチに忙しかったし、私自身のお稽古事でステンドグラスを習ったりと忙しかったんですが、それが今できなくなった。そこが無くなっちゃったかな。
江成)よくある専業主婦と、特に教育ママだったら、子どもに対する期待が高かくなっていく印象がありますが、松永社長にはそれを感じることなく、親子共々自立されているという印象を受けます。
松永)一人目の長男は一生懸命やってた。会社に来た時には二人目まで中学受験が終わってたので、三番目の娘だけが中学受験前だっただけで。
江成)すごいですね。思い出せないくらい、苦労がなかったということですね。自分の人生を生きてるお母さんを見ていて、一番下のお子さんでも19歳ですが自立されてます?
松永)自立してるんじゃないかな。下の娘は大学で京都にいるんだけど、帰ってこないもんね、今春休みのはずなのに、なんか忙しいみたい。

子どもたちが誰も継がないと言ったら、会社を手放していたかもしれない。でもやってみたら楽しくて(笑)

江成)それぞれがお母さんを見ていて、自分の人生を歩まれているんですね。跡取りの方は。
松永)次男が会社に入ってますね。9年前にここに入った時に、子どもたちに聞いたの。「この会社継ぐ気ある?」って。その時に長男は僕は継がないってはっきり言ったの。次男は継いでいいよと、娘も別に継いでいいよって。だから二人保証があったわけ、だから私はとにかくいい状態にして息子に譲ろうと、そのためだけで一生懸命やってるかな。
江成)ご主人と息子さんを繫ぐために間で守る、守るよりももっとよくするぞ、みたいないい状態で渡したい。その想いなんですね。
松永)それなのよ。だからもしも子どもたちが誰も継がないと言ったら、会社を手放してたと思う。
江成)お子さんへの愛情と、会社への愛情と一緒なんですね。

松永)継ぐって言ってくれたから、頑張ろうと。
江成)本来ならご主人様から息子さんにって思うんですけど、たまたま間が空いたので「よし私だ」ってなったんですね。
松永)でもね、常々主人は継がせたくない、大変だからって言ってたんですよ。自分の子どもたちには会社経営はさせたくないから、「僕の代で終りでいい」って言ったの。でも私が入ってみたら、全然楽しいやって(笑)
江成)ご夫婦で性格が全然違うんですか?
松永)真逆。趣味から真逆。家建てる時もカーテンひとつも逆、何でも逆。
江成)すごいですね、それが良かったですかね。
松永)たぶん、全く真逆やったね。この前のシンポジウムでも言ったんだけど、会社の発展はトップの笑顔やと。そういうこと私言いましたね。敷島さん儲かってよろしいなって言われるのは、本当に私が常から明るくて元気やからだと思うと。それを伝えたんです。
江成)この9年、プラスプラスで。
松永)でも楽しくて。みんないい人やもん。
江成)松永社長を見ていると、女性もタクシーうんぬんではなくて、ここで働きたいという想いが出ると思うので、もっともっと前に出て欲しいですね。タクシー業界自体が変わりますよ。古い体質を感じるところありますからね。

頑張っている女性の方にアドバイスを

江成)頑張っている女性の方にアドバイスを
松永)前向きなことしかないんじゃないかな。考え方なんて自分でできること、自分なんでね。人がどうこうではなくて、自分でモチベーション上げていくことじゃないですかね。

江成)朝は何時に起きますか?
松永)早いのよ、水曜日と土曜日がごみの日なんだけど、朝6時半なのよ、だから6時15分には出さないといけなくて。
江成)ごみ収集が6時半って卑怯じゃないですか?(笑)
松永)卑怯よね(笑)
江成)せめて8時半にして欲しい。

松永)行事ごとはきっちりやってたわね。子ども3人のお誕生日、クリスマス等で年4回はスポンジケーキを作ってた。きっちり行事ごとはしてたから、今でも家族は集まってくれるわ。誕生日にみんなで食事するとか、お墓参りとかね。
江成)普段だらだらよりも、ここっていう時にしっかり集まれるのはいいですね。

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