神奈川県社会福祉協議会の冊子、福祉タイムズに寄稿させていただきました。
シングルマザーの自立支援プログラムとは?
「収入が安定してなかったら、娘を塾に通わせられなかったので、改めて私の今の状況に感謝してます。心と金銭のゆとりがあったからこそ、娘がここ
まで成長できました」。日本シングルマザー支援協会で就職支援をした会員さんからのメールです。
協会では、生活の安定に特化した活動をしています。この他にも「児童扶養手当を卒業することができました」というお声も多いです。
協会の設立のきっかけは、「なぜこんなに子育てと仕事の両立が大変なのか?」という疑問からでした。自立を自らの手でつかんだシングルマザーの声
を集めていったところ、みな同じような「考え方」をしていたのです。それを伝えることで、自立できるシングルマザーが増えると考えました。
6年間の活動の結果、自立するためのプログラムが確立でき、シングルマザーの平均年収は200万円にもかかわらず、協会で就職支援したシングルマザーの方は、300万円以上からのスタートとなり、将来的には500万円以上になれる仕事に就く人が増えています。就職先も大手企業が多く、シングルマザー
への意識改革、人材の掘り起し、定着支援の充実という協会プログラムへの関心が高いことがわかりま
す。
平成29年より、会員支援のオリジナルプログラムを充実させ、マインドアップの5ステップを作成。その後、自治体とのひとり親支援包括協定を横浜市、相模原市、大阪市、静岡市、川崎市と締結し、自治体とも連携を取り、地域への人材の貢献も含めた支援活動を行っています。現在、会員数5,000名。パートナー企業は250社を超えています。
面接の前に見学会を設定し、就職のハードルを下げ、個々のマインドにあった共感をしながら、行動に寄り添います。変化を嫌う人が多いですが、変化によって沸き起こる恐怖心に寄り添い、その後はタイミングを見ながら背中を押していくという、細かな関わりの中で、ひとりでは不可能だった自立へと進むことができています。
児童扶養手当を受給できる範囲内で暮らしていると、子どもが18歳になる頃には母親も50歳前後になっています。大学に進学すると教育費はここからが本番です。若い頃に自立へ向けた活動をしないまま年齢を重ねてしまうと、児童扶養手当が終了した後ではもう遅いのが現実です。
「早い段階で経済的自立への活動を始める」という意識が当たり前になれば、貧困、児童虐待など、多くの社会課題を解決することが可能です。今後も、自立支援の活動を広めるために、日本シングルマザー支援協会は動いていきます。