子どもの貧困は親の貧困、シングルマザー生活の安定を目指すには?
もっとたくさん「書く」ことをしようと思う江成です。
ひとり親の貧困。社会課題のひとつです。なぜ社会課題かと言えば、子どもへの貧困の連鎖が一番大きな課題だと私は感じています。育つ環境により、自分の可能性に気付くこともなく大人になり、年を取っていくことになる。これは地域や国にとっても大きな損失です。
未来を創る、という意識においては、皆で考える必要のある課題です。
子どもの貧困という言葉には違和感を覚えます。子どもはそもそも経済力を持たないので、子どもの貧困はありません。親の貧困の影響を受けています。この解決方法は親の貧困を解決することしか根本的解決はないです。
対処療法的には、食べ物を渡す、学習の機会を与えることも重要です。あくまでも対処療法であり、根本的解決にはならないです。子どもの成長は早いので、今の困りごとを解決する支援と、未来を創るための支援の両方が同時に行われる必要があります。
食事を与え、学習の機会を子どもたちに与えている時に、親の経済力を高める支援を同時にしていく。まだ親も30代から50代くらいと若いので、未来を創るといっても、数か月、1,2年でできることなんです。今の困りごとを解決する支援と違って、全員が支援を有効に活用できることはないかもしれませんが、それでも多くの子どもの未来を創ることはできます。
日本シングルマザー支援協会は、シングルマザーの自立支援に特化した活動をしています。分かりやすいところでは年収を上げるお手伝いをしていて、一昨年の支援した方の平均年収は380万円となり、厚生労働省の母子家庭の平均年収の1.8倍となりました。
年収を上げるだけが解決ではないので、その手前のところ、年収を上げることが可能だと理解してもらうところからサポートしています。また、幸福度は収入だけではないので、その方にあった安定した生活を一緒に考え、収入アップが必要ない人には、その人にとって必要な情報を提供して生活安定へと導きます。
収入アップ以外にはどんな方法があるのか?
移住により自分らしい生活を手に入れた方、子どもとの関係構築の方法を学び、親子関係が良好になり笑顔になれた方、未来をシュミレーションすることを一緒にすることで、漠然とした不安が払しょくされた方、自信を取り戻すことで環境は変わらないが人間関係が変化して楽に暮らせるようになった方など。
現状、貧困と言われる状況でも、今の状況になった経緯は人それぞれであり、考え方も、幸福の感じ方も人それぞれです。多様性と言われる中で、生活の安定と感じるのも多様です。ただ収入だけで測れるものではありません。
個々を理解し、一緒に考え、視野を広げていくことで、今とは違う未来が見えます。対処療法的な支援も重要ですが、貧困の根本的解決には、未来を創ることの重要性も忘れてはいけない支援です。