シングルマザーに迫りくる8050問題

オリンピックの話題に少しずつ乗れるようになってきた江成です。兄弟で金メダル、感動しました!



■自立を考えないと生活困窮しますよ■
研究所で助成金をいただいたプロジェクトを進めています。シングルマザー支援の結果をエビデンスにしたいなと思ったのがきっかけです。意外と支援の結果、シングルマザーが自立したというデータって、あんまり無いんです。

私なりに自立したデータがない理由は、支援策が対処的だからだと感じています。
収入が低いと悩んでいる方が多いですが、手当を渡すことや食料を渡すことが一般的な支援です。これはこれで有難いのは事実です。が、一過性の支援でしかなく、自立には結びつかないことがほとんどです。

支援慣れもしてしまうので、「離婚したいので手当のことを教えてください」という方も多く、「自立を考えないと生活困窮しますよ」と伝えようと思っても、正直伝わらない人も生まれてしまっています。

■シングルマザーに迫りくる8050問題■
コロナ禍の影響なのか、8050問題を顕著に感じています。50代のシングルマザーのパート代と80代の母親の少ない年金で生活している人が増えている気がします。

これ男性だと、社会課題となりやすいのですが、女性だと働いていないことが社会課題となりにくく、支援の手がギリギリまで届かないのではないかと思います。

研究所でシングルマザー相談の統計をしています。離婚相談が圧倒的に多いこと。離婚相談のほとんどが働いていない主婦からであること。50代になり生活の困窮が現実的になってきた人からの相談が多いこと、このほとんどがキャリアの構築をしてこなかった人です。

また、生活困窮に至らないシングルマザーの特徴も分かってきています。
・新卒で入社した企業でずっと働いている
・離婚時に「稼ぐ」必要性を考えている
・感情に流されない
・素直
・浪費しない

こうやって書くと当たり前のような特徴ですが、やはり当たり前のことが重要なんです。
しかしこの特徴を持っているシングルマザー、又は離婚を考えている女性はあまりいないのも事実です。相談者のみの統計なので、全体から見るよりは不安が多い人という傾向はありますが、全体でも貧困率は5割強なので、貧困の課題がより明確に表れているのだと感じます。

■全体の生活困窮者の比率を下げることができる■
日本シングルマザー支援協会が考える自立支援は、生活困窮していない人の特徴に、生活困窮している、又は可能性が高い人を導いていくことだと考えています。この支援が現在の支援策にプラスアルファになることで、全体の生活困窮者の比率を下げることができます

その仕組みとしてMES(ミーズ)を活用しています。個別相談からはじまり、現状を一緒に把握し、目指す生活安定の状況を考え、生活安定の状況へのロードマップを作りサポートしていくのです。

私も生活困窮者だったので思うのですが、生活困窮している時に、未来を見ることは難しく、今日の食事、明日の支払いのことしか考えられません。そう考えるとお金を頂けたり、食料を頂けるのは涙が出るほど嬉しいのですが、その状態がずっと続いてしまい、更に疲弊していきます。

自分で考えて未来を構築するのは難しいので、ここは支援として未来構築を一緒にして、サポートしていくことが最も重要だと感じています。今の支援に、未来を構築してサポートする支援が加わることで、シングルマザーに育てられている子どもたちの未来も拓くのです。