シングルマザーは「できない人」、貧困を悪化させる思い込みとは?

「江成さんのブログを読んで、シングルマザーが稼げるようにもっとしたいと思った」と、いつも協力してくださる企業の方に言われました。有難い。伝えることで真実も広がる。頑張るシングルマザーを応援してくれる人が増えることで、子どもの未来が拓きます。



■子どもが小さいからと言って働けないわけでもない■
「できない」と思っていることはできないです。私たちの思い込みは凄まじい威力を発揮します。シングルマザーの課題は、多くの人が思い込みが課題を解決できなくしているような気がしてなりません。

子どもが小さいからと言って働けないわけでもないです。
子どもが小さくてもフルタイム正社員で変わらず働いている人も多いです。
ひとり親の子どもたちが可哀そうなんて絶対にないです。
子どもたちは一緒にいる親が笑顔であれば幸せです。また淋しさは人間を強くし、親の助けになっていることは自己肯定感を育てます。

親が貧困であれば、子どもも貧困です。子どもの貧困は社会課題です。その根本は親です。親から解決しなければあまり意味がありません。

シングルマザー支援は結果的に子ども支援です。この連鎖は小さな子どもだけではなく、大人親子でもすでに連鎖が起きていると感じます。

■なんか恐ろしいことが起こってないか?■
シングルマザー支援をはじめた8年前から、「なんか恐ろしいことが起こってないか?」と感じることが多々ありました。80代の高齢女性と50代のパート女性の親子が、年金10万円とパート代5万円程度で生活している。このような人がそれなりに多いことを知り、「なんか恐ろしいことが起こってないか?」と感じたのです。

そして年々増えているような気もします。
「親を施設に預けるお金もないので、私が働くことができません」

この現実を知る前は、高齢者の方が自宅でお亡くなりになり、放置されていて、息子や娘が逮捕されるニュースを見たら、「悪い人だな」としか思いませんでした。今は違います。「明日でいいや」と、課題を先延ばしにする人が起こす事件なのかもしれないと思うようになりました。

今80代の人なら、夫に先立たれたとしても少しは年金がありますが、私たち世代でパートで生活してきた人は年金がありません。親の少ない年金とは言え、無くなったら生活ができないのです。

「生活保護になればいいのでは?」と思うかもしれません。そうなったら生活保護をもらうことが一番です。しかしまだ未来がある今から「困ったら生活保護でいいよ」で本当にいいのでしょうか?本人も幸せなのかな?

■子どもたちへの連鎖を止めていきたい■
時間がある間にもっと未来を創造し、リスクを回避できるように行動しておくこと。それをひとりで考えさせるのではなく、みんなで一緒に考えていければ、アイデアはたくさんでてくるのではないでしょうか?

生活保護受給者の中で高齢者の占める割合は5割を超えています。65歳以上の3割近くが生活保護です。しかし先ほどの親子の例を見れば、今後さらにこの比率は上がっていくことが想像できます。シングルマザーが予備軍にならないように、私たちは自立支援に力を入れていき、更に子どもたちへの連鎖を止めていきたいと思います。