高齢女性の貧困問題を放置することは、若い人から希望を取り上げること

想いだけでは継続できない、自分たちの主張ばかりでは受け入れてもらえない。どれだけ社会に貢献できて、その上で個人が幸せになれること。この考えを大事にしたい。



■大人の女性の場合は、意外と踏みつぶされる(笑)■
シングルマザーに育てられ、自分もシングルマザーになった。
一生懸命働きながら、社会の底辺を這いずり、子どもを育てながら、立ち上がることばかりを考えた。まるで歩き始める赤ん坊のように、何が正しいか分からないけれど、とにかく立ち上がろうとするだけ。どれくらいの時間が掛かったのかも気付かないくらい夢中になり、気づけば自分の足で立っていた。

女性の自立ってこんな感じです。

赤ん坊の場合は、優しく手を差し出してくれる母親がいるけれど、大人の女性の場合は、意外と踏みつぶされる(笑) これを社会的排除と呼ぶようです。

■「子どもが小さいなら自立できないのは当たり前だね」この当たり前の惨さ■
笑われたり、叱られたりするのはまだマシ。

「子どもが小さいなら自立できないのは当たり前だね」
実はこの無意識の「当たり前」を押し付けられるのが一番キツイ。何故なら、「当たり前」だからと言って「そうですね」と言ったところで生きていけるわけではないから。。。

今、大学の無償化が始まって、大学進学の費用の相談に役所に行くと、「収入減らしたらどうですか?」と言われることがあります。確かに間違ってはいないのですが、確かにね。

しかし、今だけならそれでいいかもしれないが、大学生の子どもがいるくらいの年齢の女性が、収入を減らすような行動をした場合、正直、母親の生活安定は二度とつかめない可能性もあります。

大学まで行ったんだから、親の面倒を見ればいいと言う考えなのか、それは分かりませんが、もしその方法もひとつあるとしたら、社会人になった時に既に親の面倒をみることになる。

これって、問題を後回しにしているだけだと思います。若い人が負う負の連鎖を、今私たちの世代で断ち切っていく行動に移さないと、若い人に希望を与えることはできません。逆に今の仕組みでは希望を削ぎ落しているようなもの。

本当にそれでいいと、自分たち世代が生き残れればいいと、本当に思っている人はいないと思います。

子どもの進学が目前の人は仕方ないとしても、まだ時間のある人は間に合う。社会の仕組みとして女性が自立しやすくしていかなければいけない。絶対にいけないです。

 

因みに「離婚しなければいい」という問題でもありません。男性の所得も下がっているので、世帯年収が下がり、生活の苦しさから女性が望まない離婚も増えています。

■高齢女性の貧困問題を放置することは、若い人から希望を取り上げること■
高齢女性の貧困問題を放置することは、若い人から希望を取り上げ、男性の貧困率もあげていくことでしょう。消費は落ち込み、企業への影響も計り知れない。お金が無ければ介護施設にも入れない。介護は男女関係なく、働く世代にも今後大きな影響を更に与えていきます。

経済力のない高齢女性と中年女性の母子に、母の介護が振りかかった時に、「娘さんが頑張ってください」とだけ言われ、困り果てている人も増えています。

深刻な貧困問題ですが、なぜか問題視されにくい高齢女性では、かなりの割合ではじまっています。今すぐに社会全体でこの問題に取り組めば、負の連鎖は止められます。

明日の「女性の社会復帰サポート Jキャリア・コンソーシアム」は、企業が一丸となってこの問題を解決するためにスタートします。