夫が考える「ちょっと言い過ぎた」は、妻には「生きているのも辛い」重みを持つ

子どもや女性にまつわる多くの根本的課題は「女性が自立できない社会」である。児童虐待の問題や子どもの貧困、女性のメンタル不全、離婚、DV、モラハラなど、根本に「女性が自立できない社会」がある。



■「女性が自立できない社会」という課題■
色々な要因が重なり合っていることは間違いないが、8割以上の課題の中の要因に入るであろう「女性が自立できない社会」という課題。

お付き合いをしている時は同等だった関係が、結婚して女性が家庭に入り、女性が経済力を手離したあたりから、上下関係が出来上がってくる。最初は「少し言葉が強くなってムカつく」くらいにしか感じなかったことが、子育てをしながら、「自分は今働くのは無理だな」などと考えるようになると、夫の言葉が更に突き刺さるようになり、自信を失い不安になりやすくなっていく。

不安になりやすい妻を見て夫も苛立つようになり、「出ていけ」「誰のお陰で生活できていると思ってるんだ」などとカッとしたはずみで口を滑ってしまったら大変、妻はどんどんメンタル不全に陥る。この時は既に、夫が考える「ちょっと言い過ぎた」は、妻にとっては「生きているのも辛い」くらいの重みを持つようになる。

更に時間が経過すると年齢も高くなり、更に自信を失い、社会復帰の機会も実際に失っていく。

何よりも、一番影響を受ける母親がメンタル不全な状況にずっといるという環境で子どもが育っていく。子どもも自信を失っていき自己肯定感は育ちにくく影響を受けていく。

というようなパターンがたくさん見受けられます。

■夫が考える「ちょっと言い過ぎた」は、妻には「生きているのも辛い」重みを持つ■
よくある夫は「モラハラなんてしていない」と言い、妻は「夫のモラハラに耐えられない」という言うシチュエーションが生まれてしまうのは、

“夫が考える「ちょっと言い過ぎた」は、妻にとっては「生きているのも辛い」くらいの重みを持つ”

この差です。これは時間と共に感覚差が広がった結果です。

 

このような環境を長い間放置していることで、多くの課題が枝葉的に生まれていきます。その枝葉のひとつを課題として考えても、根本的解決にはなりにくく、更に私たちが生きにくい決まりや思い込みが出来上がっていくだけです。

■社会課題の根本的解決策に、「女性が自立しやすい社会を創る」■
女性が自立しやすい社会であれば、夫婦関係上の上下関係はできにくくなります。家事や子育てを自分のやることとして認識できる男性がまだまだ少ないので、女性の負担が増してしまうことはありますが、女性自身のリスクはかなり軽減されますし、子どもの可能性も広がります。

今起こっている社会課題の根本的解決策に、「女性が自立しやすい社会を創る」がある。日々多くの企業さんとお話をさせてもらっているので、企業側の理解を進めるのは、それほど難しいことだとは思っていません。昭和的なおじさま以外の人たちで、充分創っていけることだなと肌感で感じています。

ということで、6月には「Jキャリア 女性の社会復帰サポート・コンソーシアム」の勉強会を開催予定です。

令和5年末には100社になり、一緒に女性の社会復帰を当たり前とする機運を創っていきます。