自分の努力ではどうにもならない、シングルマザー相談
シングルマザーにまつわる課題は色々ある。
協会に届く「困りごと」は、とても現実的に困っていることであり、自分の努力ではどうにもならないことも多く、そして理不尽な思いをしないといけないことでもある。
その一つとして、扶養控除の問題。
嫌がらせなのか、間違いなのか、よくわからないが、こんな知らせが役所からくるシングルマザーがいる。
「お子さんの扶養者が二人います。どちらかにしてください」
シングルマザーとして自分で育てているにも関わらず、扶養として子どもの名前を元夫が書いているという出来事が起こり、困っていると言う相談が数件あった。
これによって税金の計算も変わってしまう。
ある取り組みに熱心な議員の方にお願いして真相を突き止めてもらったところ、夫が取り下げたことがあった。しかしその時に聞いたのが「今回は自治体側が非を認めたが、本来所得が高い方が有利らしい」とのこと。
とすると、元夫側が嫌がらせだったとしても、所得が元妻の方が低い可能性が高いとすると、自治体が生活状況をしっかり調べてくれなければ扶養者として認められないことも多く起こっている、ということらしい。
協会に相談に来てくれた方の場合は、私たちも一緒に対処方を考えていくし、そうすれば自治体も安易に窓口で追い返すなんてできないので、実態に即した結論が出るだろうが、誰にも相談できずに窓口に行き、「元夫婦で話し合ってください」とだけ言われて追い返されて、諦めた人も多いのかもしれない・・・
養育費を多くもらっているのであれば、ある意味仕方ない部分もあるだろうが、もらっていないケースであれば意味が分からない。
そもそも、所得が高い方が扶養者である、というのは夫婦間なら分かるが、離婚後は通用しない。また子育てしている方が仕事への制限もあるので、必然的に引き取っている方が所得が低くなる可能性も高い。
この辺りの理解が低いのかもしれない。
ただ養育費を払っている側の所得控除が無い、という課題もあると思っています。現状は、単身者として課税された中から養育費を支払っています。ここで扶養控除は受けていません。が、同居親側に支払われた養育費の8割は収入換算となるので、これは二重課税では?とずっと思っていました。
本来、しっかりと養育費を払っているのであれば、その分の扶養控除があってもいいですし、そうすればもっと養育費の実態も見えてくるでしょう。支払っていないことも明確になります。
同居親は実際に扶養しているので、収入になる分は課税になりますが、扶養控除は受けられます。というような形にした方が健全ではないかと感じています。
このようなあやふやな状況のままなので論争も絶えないし、生活も脅かされ、窓口で悲しい思いをする人も出ている。
もっと実態に即した仕組みになり、皆がちゃんと受け入れられるような状況にして欲しいと感じます。