目の前の大変の支援と、その間に未来を考える支援をセットにしないと・・・

母親の仕事選びが、子どもの将来を決める?



7、8年前に、「下流老人」を読んで、老後のことを自分で早めに考えて行動しなければいけない時代なんだと思った。個人的には父親の介護を経て、高齢者がどれだけお金が必要かを体感した。

本が出た頃は、相談業務を始めて間もなかったが、相談時に「この方老後危ない」と思う人がとても多かった。何よりも怖いと感じたのは、ほとんどの人が、そのことを説明しても準備を始めることより、「今大変だから」という考えから進まないこと。

目の前が大変であればあるほど、未来を見据える必要がある。しかし目の前が大変な時に、未来を見据える余裕はない。この悪循環の改善が必要です。

コロナ禍でも、コロナ禍だからもらえる支援金がある内に、未来を見据えた準備をしましょうと声を掛けたが、3割くらいの人しか動かなかった。今手元にお金が入ると安心してしまい、多くの人が動きを止めてしまう。そして再び困りはじめると動き出すが、その時にはもう未来を見据える余裕はない。

今の日本は、目の前の貧困支援と共に、未来の貧困を防ぐことの両輪を走らせないと、更に貧困者は増える。しかも高齢貧困者なので仕事の紹介などという解決策はなく、しかも医療費も増える。今なら手前で防げるので、一日も早く高齢貧困者を出さない動きにして欲しい。

目の前の大変を支援するだけではなく、その間に未来を考えるサポートも必要。皆が自立していかなければ、共倒れになってしまう。

ひとり親の支援のひとつである、児童扶養手当は、本来ひとり親になってから5年間の支援であり、自立促進のための手当です。もらい続ける設計ではありません。ただし自立支援が薄く、結果的に自立者を創出できないので、いつの間にかもらい続ける支援だと思う人が多くなってしまった。これは国がちゃんと説明をするか、もらい続ける支援として設計し直した方がいいのでは?と私は思う。

今の設計では、子どもが18歳までもらい続けることを選択した人は、高齢貧困者へと進むしかなくなる。これは課題の先送りでしかないですね。