企業にとって「シングルマザーは困っているから雇ってください」はメリットがない

同居する娘の出産予定日まで、あと1週間・・・
新生児が我が家にやってくる。

(古い写真の自分は若い・笑)

【「うちの会社と協会を繋げたい」と連絡をくれたシングルマザーの存在】
2013年7月13日に、日本シングルマザー支援協会を設立しました。

今では、有難いことに、たくさんの応援してくださる企業の皆さんとお仕事をさせてもらっている。積極的に就職先となり、正社員で受け入れてくれる企業。シングルマザーの生活を豊かにするためにサービスを提供してくれる企業。寄付でサポートしてくれる企業、そして個人の方など、多くの方に支えてもらっている。

協会立ち上げた後、最初に連携させてもらった企業があった。繋いでくれたのは、会員登録をしてくれていた会員さんだった。

「うちの会社と協会を繋げたい」と連絡をくれ、東京出張の日に会いにきてくれた。その後直ぐに、話を理解できそうだと彼女が考えた上司に繋いでくれた。後日、その上司の方にお会いしたら、翌日には会長へと話が繋がった。

ここまではカフェでの出来事。私は、これから起きることを想像していなかった。

目黒の立派なオフィスに呼ばれ、広い会議室に連れられ入ったら、会長だけではなく、子会社の社長の方々がズラーッといた。そこにひとりで、真ん中に座り、立ち上がったばかりのシングルマザー支援協会のプレゼンをすることになった・・・

営業職だったので、話すことはできる。営業やってきて良かったと思った。
10数名の社長さんたちの、眼力に負けず、「なぜ協会を立ち上げたか?」「なぜシングルマザー支援が必要なのか?」「シングルマザー支援は企業にとってプラスになること」「協会はどうなっていきたいのか?」などをプレゼンした・・・と思う。昔過ぎて、記憶は少し薄れている。

話し終わった後に会長が、「今まで聞いたプレゼンの中で、一番のプレゼンだった」と、なんと褒められた。
10年、負けずにやってこれたのは、この時の喜びの経験は大きかったと今でも思う。

その後、子会社の数社からお仕事をもらった。この時に、シングルマザーが選ばない仕事にしか、生活が安定できる仕事は無いと確信した。どうやったら、選ばない仕事を選んでくれて、続けてくれて、生活を安定させられるのか?という、今にも通ずる、新たな課題に立ち向かうようになった。

【企業にとって「シングルマザーは困っているから雇ってください」はメリットがない】
企業に対して、「シングルマザーは困っているから雇ってください」はメリットがない。メリットがあるのは、人がコマでしかない、ブラック企業ぐらいだ。

企業はシングルマザーを応援したいと思ってはいるが、優秀な人材、優秀な人材としてのポテンシャルを持っている人材が欲しいに決まっている。ここにしかメリットはない。

また、シングルマザーを含む、社会で活躍できていない女性の中に、優秀な人材としてのポテンシャルを持っている人は驚くほどたくさんいる。母親としての責任感が強すぎて、行動できていないだけだったり、結婚生活のモラハラなどで、自信を失ってしまっている人の、今の状況が能力が低く見えているだけで、内に潜めるポテンシャルは素晴らしい人がたくさんいる。

この企業さんとの取り組みにより、どんなシングルマザーなら企業にとって採用のメリットがあるのかが理解できるようになり、その後、就職の際の「リテラシー講座」など、女性の意識改革を伴うことで、更に企業にとってシングルマザー雇用に付加価値を付けていくことを加速させていった。その加速によって、日本シングルマザー支援協会が民間企業として生き残りもかけなければいけない。

シングルマザー支援をしていると、国からお金をもらって活動していると誤解されることが多いのと、シングルマザーだから、企業から見ると、お荷物のような人材を紹介されるのかと誤解されることもあるが、ます、そう簡単に国がお金をくれることはない。多くの団体は、ソーシャルビジネスとして活動することになる。だからこそ、「シングルマザー大変」だけでは仕事はできず、どれだけ個々のシングルマザーのポテンシャルを上げられるか、また企業にとって価値を持ってもらえるかとなる。