選ばれし人しか介護施設には入れませんと知り、目の当たりにした8050問題
女性の経済的自立について情報発信をしています。
■年間およそ9万人もの行方不明者がいて、その内80歳以上の方が約1万5千人■
在宅ワークしていると、近所の高齢者の方の怒鳴り声がよく聞こえてくる。最初は「喧嘩でもしてるのかな?」なんて思っていたが、あまりにも頻繁なので痴ほう症の方がいるのだと理解した。それでも私は未だに、その方がどこの誰かも顔も分らない。
また在宅ワークで家にいると、よく高齢者の行方不明の放送がかかる。どれだけの人が行方不明になっているのだろうと不思議に思うが、年間およそ9万人もの行方不明者がいて、その内80歳以上の方が約1万5千人。その半数以上が認知症とのこと。
この問題は若い人たちも他人事だと捉えていけないと感じます。
・自分ごと1,自分の老後資金
・自分ごと2,社会保障費増大
■最後は生活保護があるから■
シングルマザーの中でも、40代後半50代でも老後の準備を考える余裕すらない人も多く、「そこまで含めて今何をすべきか一緒に考えましょう」と伝えても「最後は生活保護があるから」という人もそこそこいます。
生活保護の仕組みから考えて、問題に直面する前から、まだ改善の余地がある時から生活保護を前提にするのは違うと思うんです。自分で努力したが、どうにもならない出来事に直面した時は全ての人が受けることができますが、前提にして考えるのは少し違う気が私はします。
私も個人的に両親の介護を経て送り出しましたが、母の時は父がお金のことはやってくれていたので、父の時に私は金銭的なことを目の当たりにしました。私の父は年齢的にまだ年金がある方でしたので良かったですが、年金で全てが賄える最後の世代(昭和18年生まれ)と言われたんです。
■選ばれし人しか介護施設には入れません■
仕事柄気になったので、病院や介護施設で聞いてみました。
「年金の平均は」「10万くらいです」
「年金で介護施設の費用がカバーできない人はどうするんですか?」「選ばれし人しか介護施設には入れません」
ほー、そうなってたんだ。親の介護に直面しなければ、そんなこと知ることもなかったな。と感じ、私は自分の老後費用のことも今から考えるようになり、協会のメルマガの発信なども老後費も強く伝えるようになりました。
私の親世代はまだいい方でした。私たち世代は、特に女性は金銭面は全く足りない人が圧倒的です。
■目の当たりにした、8050問題■
協会を立ち上げた2013年。まだ何も考えていませんでしたが、活動を開始して直ぐに、50代でこどもは巣立った元シングルマザーが、親の介護といいながら定職に就かず、親の年金と自分のパート代で生活している人が多いことを知りました。これは結構衝撃でした。8050問題ですね。
その頃、親が亡くなっても届けを出さず、年金を横領したという罪で逮捕、というニュースを見るようになり、悪い人がやるのではなく、計画的ではなく、現実逃避してしまう人がやってしまうことかもしれないと考えました。
実際に私がみた8050問題の当事者も、今日明日はどうにかなっているので、と、先の事を考えていない(考えられない、相談もしない)人が多かったです。これが社会保障費の増大の原因のひとつであることは間違いないです。この問題のように誰から見ても実は無関係ではない社会課題が数多く重なりあっています。当事者ではない、ということが無いのです。というくらい、複雑さを見せています。
■まとめ■
今自分にできることは、人生で最も若い今日を無駄にせず、計画的に未来へと進んでいける準備を直ぐに始めることです。