地方で芽吹く女性の自立ー性別役割分業意識に注目して
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■女性を受け入れる就労の土台が地域に整っていないことが背景にある■
政府は2025年6月、「女性版骨太の方針2025」を決定し、女性の起業支援を地域に広げる方針を正式に承認しました。地方自治体が設ける「男女共同参画センター」を拠点として、起業相談や情報提供、金融機関との連携支援などを全国的に展開していく計画です。さらに、2026年度には女性活躍を促進する新たな独立行政法人の設立も予定されています。
地方においては、今もなお女性の都市部への流出が止まりません。その最大の要因は「仕事の少なさ」です。地元を離れる理由として大学進学が多く挙げられますが、卒業後に地元へ戻ってこないのは、女性を受け入れる就労の土台が地域に整っていないことが背景にあります。
では、なぜその土台が整わないのでしょうか。あまり話題にされませんが、「性別役割分業」の意識が、地方や高齢者層にいまだ根強く残っていることが、大きな原因だと感じています。
■「女性が働きやすい環境を整えたい」と伝えると、「それは贅沢だ」「甘えている」と捉えられてしまう■
私たちは女性の自立を支援する活動を行っていますが、無意識の価値観が壁となり、なかなか前に進めない現実にたびたび直面します。たとえば「女性が働きやすい環境を整えたい」と伝えると、「それは贅沢だ」「甘えている」と捉えられてしまうことも少なくありません。
しかし現実には、いくら女性の社会進出が進んでも、家事や育児の負担は女性に偏りがちです。だからこそ、「不満が生まれにくい環境」を整えることが重要です。ちょっとした特別感があるだけで、女性のパフォーマンスは大きく向上します。それは企業にとっても大きなメリットになるはずです。
また、よく「誰か紹介してください」とご連絡をいただくのですが、内容を見ると多くはパート募集です。おそらく「子育て中の女性には、パートの方が負担が少なくていいだろう」という、やさしさからの配慮なのだと思います。でも、もしこれがシングルファザーだったら、「パートで紹介して」となるでしょうか? いつもそんな疑問が頭をよぎります。
私たちは「女性の自立」を支援しています。そのため、しっかり働ける環境を提供してくれる企業を探し続けています。同時に「しっかり働く女性」を育てていくことにもなります。これはどちらかが妥協する話ではなく、両者が本気で向き合うからこそ生まれる未来です。
■「すさきスタートアップコンテスト2025」に向けて、『りあん』主催でブラッシュアップ会■
現在、高知県須崎市では、協会のサテライトオフィス「りあん」を運営しており、ここでも女性の起業サポートを進めています。8月28日(木)には、須崎市で開催される「すさきスタートアップコンテスト2025」に向けて、『りあん』主催でブラッシュアップ会を実施予定です。
須崎市だからこそできることが、たくさんあります。
そして、女性だからこそ形にできるアイデアも、たくさんあります。
そんな想いを持ち寄り、一緒にかたちにしていく場にしたいと思います。
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