【第1回】自立は、個人の問題ではありません。社会の土台にあるものです
『女性の自立は社会の未来を変える 〜機運醸成の時代に生きる私たちへ〜』
「自立」という言葉、少し堅苦しく感じる方も多いかもしれません。
でも今、私たちがあえて向き合わなければいけないのは、この“堅さ”の中にある本質です。
なぜかというと――女性の自立は、個人の努力で語られるものではなく、社会全体を支える“基盤”だからです。
■自立は、社会を動かす“見えないインフラ”■
自立というと、「強い女性の話」だと思われることがあります。
「あなたはすごいね」「私にはできない」
そんなふうに、どこか“特別な力”が必要だと見なされている。
でも、私から見れば、それは少し違います。
自立とは、すべての人にとって当たり前であるべき土台です。
特別な挑戦ではなく、日々を安心して生きるための、ごく自然な状態。
選択肢を持って生きられるようにすること。
そして、それを実現できる社会であることが必要です。
■なぜ「女性の自立」が、いま社会の鍵になるのか?■
日本社会は今、少子化、高齢化、家族構造の変化など、さまざまな課題を抱えています。
共働き世帯が増える一方で、家事や育児の負担は依然として女性に偏り、「自立」という言葉すら重く響く環境が、まだ続いているのが現状です。
その中で、「女性の自立」は、いまだに“自己責任”のように扱われがちです。
「頑張っている人は素晴らしい」「でも、できないなら仕方ない」
そんな空気感が、社会全体にどこか根強く残っています。
でも、本当にそうでしょうか?
私は違うと思います。
女性が自立できない社会構造そのものが、問い直されるべきではないでしょうか。
■これは“誰かの挑戦”ではなく、“社会全体の課題”です■
自立というのは、何か大きな決断をしたり、特別な覚悟が必要なことではありません。
日常の中で「自分で選ぶ」「自分で決める」ことを、少しずつ積み重ねていくことです。
けれど、その選択ができるためには、仕組みや制度、そして意識の支えが必要です。
つまり、自立は“仕組み”で叶えるものであり、個人に任せきりにしてはいけない領域なのです。
これからの時代、自立は「個人の努力を称える美談」ではなく、すべての人が当たり前に手にできる社会の機能として、整えていくべきものだと思っています。
この連載では、「女性の自立」の意味と、それが社会全体にどう影響するのかを、一つずつ丁寧に、でも正面から、言葉にしていこうと思います。
次回は、「“女性の自立”が進まない理由はどこにある?」というテーマで、いま私たちが立っている現実を深掘りしていきます。
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