【第6回】「子どものために自立する」という考え方を、もう一歩深める
『女性の自立は社会の未来を変える 〜機運醸成の時代に生きる私たちへ〜』
「子どものために頑張ってるんです」
相談に来られるお母さんから、よく聞く言葉です。
とても真っ直ぐで、深くて、尊い想い。
だけど私は、こんなふうに問いかけてみたくなることがあります。
「子どものために」ばかりじゃなく、「あなた自身のために」頑張ることも、許していいんじゃないですか?
■“自己犠牲”ではなく、“共に育つ”という視点へ■
子どもは、自分のために我慢し続ける親を見て、「自分が負担になっている」と感じてしまうことがあります。
一方で、自分の人生をあきらめず、挑戦し、楽しみ、悩みながら進む母親の姿には、「人は何歳でも、人生を変えられるんだ」という勇気が宿る。
「お母さんが明るくなった、お仕事紹介してくれてありがとう」
就職支援をした方のお子さんに言われた時、涙がでた。
自立とは、自分一人で何とかすることではなく、親も子も、互いに成長しあう関係に変わること。そう考えた方が、ずっとしなやかで現実的です。
■自立すると、“罪悪感”が消えていく■
「自分のやりたいことを優先したら、子どもに申し訳ない」
そんな気持ちを抱えている方は少なくありません。
でも、本当に“申し訳ない”のは、大人が自分をあきらめている社会を見せてしまうことではないでしょうか。母親自身が幸せを感じていないのに、子どもに「幸せになってほしい」と願うのは、どこか矛盾しています。
「私の自己肯定感が低いから、子どもには自己肯定感高くなって欲しい」
しかし、子どもはあなたの言動で自己肯定感が育ちます。まずは自分、自分が先にやってみる。その姿が最も子どもに響きます。
自立によって、生活の選択肢が増え、心に余白が生まれると、自然と“罪悪感”は和らぎ、「こうありたい自分」に近づいていきます。
■あなたがあなたらしくいることが、いちばんのギフト■
結局、子どもが一番うれしいのは、お母さんが元気で、自分らしく、前を向いている姿じゃないでしょうか。
「自立する」という言葉が、難しく聞こえるなら、まずは“自分の人生を自分で楽しんでいい”と許すことからでいい。
母親が自分らしく生きることは、子どもにとって最高のギフトになる。
そのことを、私はたくさんのシングルマザーの支援を通して何度も見てきました。
また、振り返れば自分の子どもたちもそうだったなと気づけました。
次回は、「“自立=挑戦”という誤解が、社会の可能性を狭めている」というテーマで、誤解の壁と、自立の本当の意味について書いていきます。
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