【第7回】“自立=難しい”という誤解が、社会の可能性を狭めている
『女性の自立は社会の未来を変える 〜機運醸成の時代に生きる私たちへ〜』
「自立しなきゃとは思うんですけど…」
そう話す女性の声には、どこか不安やプレッシャーがにじんでいます。
自立という言葉が、「何かに挑戦しなきゃいけない」「今よりずっと頑張らないといけない」
そんな“重たい意味”に変換されてしまっているのが、今の日本社会の現状かもしれません。
■自立は、特別なことじゃない■
世の中では、自立している女性=強くて、バリバリ仕事をしていて、困っても人に頼らず一人で解決する人、みたいなイメージが先行しています。
でも、それはちょっと違うと思うのです。
本当の自立とは、「自分で選べること」働くか、働かないか。頼るか、頼らないか。どんな人生を描きたいのか。
その選択肢を持っている状態こそが、“自立している”ということなのではないでしょうか。
■「もっと頑張らなきゃいけない」から、動けなくなる■
「今の生活を変えるのは大変そう」
「自立=自分で全部やることだとしたら、私には無理」
そんなふうに感じている人が多いのは、自立=挑戦、成長、限界突破みたいなイメージが強すぎるから。実際に、「やっても無理だから、正社員の求人を探したこともない」という方も多い。
でも、ちょっと視点を変えてみてください。
自立って、なにかを“始める”ことじゃなくて、すでにある自分の中の力を、取り戻していくことでもあるんです。
■自立は、少しずつ、でいい■
私はこれまで多くの女性たちが、自立に向かう姿を見てきましたが、ほとんどの人が、「一歩ずつ」進んでいます。いきなり無理してフルタイムで働く必要も、資格を取る必要もない。
「ちょっと相談してみる」「話を聞いてみる」「説明会に行ってみる」
そんな小さな行動から、人生が動き出すことばかりです。
自立は、限られた人だけの“挑戦”ではありません。
すべての人が、今いる場所からできる「動き方」なんです。
次回は、「“完璧な自立”を目指す必要なんて、どこにもない」というテーマで、“等身大の自立”のあり方についてお話ししていきます。