【第14回】社会を変えるのは、誰かじゃない。“気づいた私”から始まる




『女性の自立は社会の未来を変える 〜機運醸成の時代に生きる私たちへ〜』

シングルマザー紹介:必要とされる人であり続けたい

社会が変わらない。
制度が届かない。
声が、響かない。
―でも、それでも私はあきらめない。

そう思うたびに、ため息が出てしまうこと、ありますよね。
けれど私は、12年間、支援の現場で多くの女性たちと向き合ってきて、確信していることがあります。

それは、社会を変えるのは、声の大きな誰かでも、遠くの有名人でもなく――「気づいたひとり」から始まるということです。

ひとりひとりのシングルマザーが、勇気を持って動き出した時、子どもたちを巻き込み、大きく人生が好転する姿を、いままで何度となく見てきました。

■ “社会”は、私たちの毎日の積み重ねでできている■
社会という言葉は、どこか遠くのもののように感じられます。
でも、実際の社会は、政治家や制度だけでできているわけではありません。
私たち一人ひとりの選択や行動、その積み重ねで形づくられているのです。

たとえば、今日あなたが「ちょっと働いてみようかな」と思ったこと。
誰かに相談してみようと動いたこと。
それだけでも、社会に小さな“うねり”が起きる準備はできています。

■「気づいた私」が最初の火種になる■
自立とは、「人生を自分で決めること」。
でもそれは、大きな挑戦をすることでも、特別な存在になることでもありません。

ほんの少し、自分の心の声に耳を傾ける。
他人の目や評価ではなく、「私はどうしたい?」と自分に問いかけてみる。

その小さな“気づき”こそが、次の誰かを照らす最初の火種になるんです。

■変化を待つのではなく、動き出す■
「制度が整えば」「社会が変われば」たしかにそうかもしれません。
でも、そこを待っているだけでは、何も始まらない。

「気づいた私から始める」ことで、初めて社会は動き出す。
その力を、私たちはちゃんと持っていると思うのです。

 

次回は、「“自立できた人”だけが進むのではなく、“みんなで進める社会”へ」というテーマで、自立と支え合いの両立、そして一人ではないという安心についてお話ししていきます。