【輝く女性インタビュー第13回:波柴 純子さん】
現在、きぎょう塾の講師・運営に携わってくださっている、協会理事の波柴さん。
昨年、12年ぶりの出産をされて、0歳児の子育て真っ最中です。仕事と子育ての両立を体現するために、日々奮闘されているのに自然体な波柴さんの魅力をお伝えできればと思います。
●まずは、自己紹介をお願いします。
はい、ファイナンシャルプランナーの波柴純子です。
私、今シングルマザーじゃないんですけど(笑)・・・12歳の長女、0歳の長男がいます。
シングルマザーになったのは、長女が3歳の時なのでそこから9年間シングルマザー歴があります。
●シングルマザーになった経緯を教えてもらっていいですか?
法律的な結婚ではなく事実婚でした。とはいえ、結婚式もして2年後に子供を身ごもって、離婚するまで5年間の婚姻生活がありました。
シングルマザーになったのは、簡単に言えば夫婦間のコミュニケーション不全ですが、その頃相手も自分も経済的に不安定だったことが大きいかもしれません。
私の勤め先が倒産し、転職した途端妊娠が判明したのですが、当時彼も色んなプレッシャーを抱えていて祝福ムードではなかったんです。出産後、定時で働けるという理由だけで選んだ仕事は楽しく感じられず、生活のためにいやいや働いているような気持ちになって夫婦間はさらに悪化しました。そうすると当時3歳の娘が気を遣っているのがわかるんですよね、このままではいけないという気持ちで、後先考えずに家を出ました。
●今までのお仕事についてお聞き出来ますか。
お金のことで相手を責めていた割には(笑)自分もお金の計算が得意ではなかったので、この先を考えると不安が益々強くなりました。それで、以前から興味があったファイナンシャルプランニングの勉強をしようとテキストを読んだ時に、「多様化の時代だからこそ、プランニングが必要」と言う言葉がすごく響いて。これは、シングルマザーだけではなく、今の世の中に必要とされる仕事だと強く感じました。
その時は、派遣で一般事務をしていました。いずれ社員にというお話もいただきましたが、その会社の業績次第で私のいる横浜支店がなくなるという話があがったりもして、会社に何かあったら振り回される可能性もある。自分が望んでるのはそういう働き方じゃない、
「もっと普遍的に必要とされる働き方は?」と考えて、資格がないにもかかわらずやはりファイナンシャルプランニングを仕事にしたいと転職活動を始めました。ほとんどの求人は資格を持っている人が対象で、何社も不採用となりあきらめかけていましたが、未経験可の生命保険会社のコンサルティング部門の採用説明会に行き「ここだ!」と感じて応募、想いを熱く語って(笑)無事採用いただきました。
24時間保育園を探して子供を預けることも検討していましたが、内定式で本部長から「その意欲を汲んで採用したけれど、実際に遅い時間まで無理して欲しいわけではない。あなたは、この部署で時間に制約のある中で成果をだすロールモデルになってください」と言っていただき、必ずこの会社に恩返しをしよう、という気持ちが芽生えました。
一次面接で私を採用してくれた人が直属の上司になりましたが、今の私がいるのは彼のおかげです。他の同期みたいに遅い時間や土日のセミナー開催もできないのに新規のお客様と出会えるだろうかと不安な私に『とにかくできることをしなさい』と『言い訳禁止』この2つを言い続けてくれたんです。
はじめは「今の私ができることなんてほどんどないのに、それだけで成果につながるだろうか。」と思っていました。でも、愚直にできることをしていると、そのスピードも上がるし、精度も上がる。あんなこともできるかも、という工夫も生まれる。できないことをしようとしたって無理なのだから(笑)そこに焦点をあてて、くよくよする時間があったらできることを考える方がよほど生産的。そして、やると決めたら言い訳せずに取り組むこと。そういう姿勢って口に出さずとも上司にも、同僚にも、お客様にも、そして自分の子供にも伝わるんですよね。周囲が味方になってくれたら仕事はかなり楽になり、職場や家庭の空気も良くなるはず。ワークライフバランスに悩む方にはこの2つを実践することをおすすめします。私自身、その後フリーとなって12年ぶりに出産した今、改めてこの言葉の効力を感じます(笑)
●波柴さんが考える「必要とされる人」を教えてください
自立していることですね。といっても人に頼らないという意味ではなく、これ、娘のパクリなんですけど(笑)当時11歳だった娘に「自立ってどういうことだと思う?」と聞いた時に 「周りのひとのことを考える余裕があること」って即答したんです(笑)
でもそのとおりで、損得勘定で自分の力を出し惜しみするような人って必要とはされないですよね。依存するのではなく、時には周囲に頼りつつも相手のことをも考えられる余裕のある人、その余裕を自ら作り出そうと努力している人が必要とされる人だと思います。
●協会の会員さんにメッセージをお願いします
誰しもが必ず、ご自分が自覚している以上の能力をもっています。
なんて偉そうに言っている私自身、一見逆境とも思えるシングルマザーという状況があったからこそ、以前の依存体質から抜け出し、成長できたと思っています。どこかに所属することで得られる一時的な安定ではなく、心から充実した人生への一歩をきぎょう塾で踏み出せますよ!とこれはぜひ伝えたいです。
今、シングルマザーであることを不安に感じている方もいるかもしれませんが、これからさらに厳しい時代になっていく中、母親が真剣に人生と向き合う姿はお子様にとっても指針になるはず。次世代を担う存在であることに誇りを持って、でも無理はせず、できることをしましょう。つらい時には協会という居場所を思い出し、活用してくださいね。