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はじめに
近年SNSを発端とした子どもの被害が問題になっています。
子どものSNS利用には、どういった危険があるのか、またどのように防止し、被害にあった際は対応したらいいのか、保護者として知っておきましょう
基本的に小学生は使えない!SNSが使える年齢は何歳から?
まず、そもそもSNSは何歳から使えるのでしょうか?
法律上は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」によって、事業者は青少年(18歳未満のこども)がインターネットを利用する際には、青少年を保護するための措置をとる義務が定められています。
ただSNSの利用について、法律上具体的な年齢制限があるわけではありません。
とはいえ、SNSの運営会社は利用規約で年齢制限を定めており、多くのSNSは13歳以上となっています。
ですので、小学生は利用規約上、多くのSNSを使えません。
13歳以上と定められているにも関わらず、小学生が SNSを利用した場合は、利用規約違反ということになります。
ただ規約違反にも関わらず、SNSを使っている小学生がいる現状もあります。
その背景としては、SNSの利用が一般的になっており、アカウントの作成自体は容易にできてしまうことが挙げられます。
また、利用規約上の年齢制限以上の年齢になったからと言って、SNSによるリスクがなくなるわけでもありません。
警察庁の統計からしてもSNSによる被害は中学生以上が多いです。
子どものSNS利用には、どんな危険がある?
実際に起きた事案には以下のようなものがあります。
- Aさん(中学生)がSNSで知り合ったBと下着姿の画像の交換をした。AさんはBも中学生の女の子だと思っていたが、実は男性であり、脅迫を受けた事案。
- Cさんは、SNSに「家出をしたい」と書き込み、SNS上で声をかけてきた人物の家に行ったところ、性被害を受けた事案。
- Dさんは、SNSに裸の画像を投稿したところ、インターネット上に拡散されてしまい、削除が事実上困難になってしまった事案。
犯罪やトラブルから子どもを守る!SNSの危険と防止法
SNSでの犯罪やトラブルから子どもを守るには、親と子でその危険性について充分話し合いをすることが大切です。
たとえば、SNSは見ず知らずの人ともコミュニケーションが取れるが、これにより犯罪に巻き込まれる危険があることはしっかりと伝えておいた方がいいでしょう。
さらにSNSから個人情報が流出し、インターネット上に拡散されてしまうと削除できず、取り返しのつかない状況になる危険があることなど、親子で具体的な事例を共有しておくとよいでしょう。
また、SNSで知り合った人から被害を受けた場合、子どもも後ろめたさがあり、親に相談できずに被害が拡大してしまうことがあります。そのようなことになる前に、なるべく早く親に相談するよう、親子でコミュニケーションを取っておくことも重要です。
実際に被害にあってしまった場合は、早めに警察に相談することも重要です。たとえば自撮り画像を要求する行為自体が条例違反になる場合もあり、わいせつ罪などの重大な犯罪に至る前に警察が動いてくれることもあります。
SNSを通じたいじめについて
現在では、SNSを通じたネット上のいじめも問題になっています。
たとえば、SNSを利用して、ネット上に特定の子どもの誹謗中傷を書き込んだり、特定の子どもに成りすましてSNSのプロフィールを作成し、電話番号やメールアドレスをプロフィールに書き込んで個人情報を公開したりといった事例があります。
SNSを通じたいじめにあった場合、まずは誹謗中傷や個人情報の書き込みを削除する必要があります。
そのための対応として、SNSの管理者に依頼すると、誹謗中傷の書き込みや、アカウント自体の削除に応じてもらえる場合があります。
そして、ネット上のいじめも、学校内のいじめと同様に学校や教育委員会に相談することができます。
いじめについては、学校(教育委員会)と警察が連携していますので、SNSの管理者に対する削除依頼について助言をしてくれる場合もあります。
また、法務局に相談すると、SNSの管理者等に削除要請をしてくれる場合もありますので、法務局の人権相談窓口に相談することも有効です。
次に、いじめの相手を特定する方法について、多くのSNSは匿名での書き込みが可能であり、特定が難しいという問題があります。
ただプロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求によって、相手方を特定できる場合もあります。
手続には専門知識が必要になるため、弁護士に相談いただければと思います。
まとめ
現実の社会では面識のない相手と情報の交換ができるようになったのは、SNSのメリットでもあります。
これから先は、ますますSNSの利用が一般化していくと考えられますので、子どもにSNSを利用させないというのは難しいでしょう。
むしろ、SNSを子どもが利用することを前提に、SNSの危険性を親子で共有しておくことで、被害を防ぐ意識が大切です。
アディーレ法律事務所松山支店 弁護士 兒島克彦
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