日本シングルマザー支援協会が全国組織なので、弁護士事務所として数少ない全国規模で展開している アディーレさんとの提携となりました。また、協会が中立な立場となるので、伝えにくいことや、聞きにくいことは協会を通してもらえればとも思います。協会は上手に活用してください。

メルマガ内で「法律コラム」をいち早くお届け。当メンバーの皆さまへ必要な情報を提供して頂きます。

はじめに

離婚を経て、新しいパートナーと巡り合う。それはとても素敵なことです。
しかし、すぐに再婚となると、子どもへの影響や一度失敗したトラウマもあって慎重になるもの。

「まずは一緒に住んでみてから」と、同棲を選択するのは非常に合理的なステップに思えます。

ただし、「単なる同棲は、法律上あまりにも無防備である」という事実については、知っておきましょう。

「結婚」には法律による強力な保護(貞操義務、扶養義務、財産分与など)があります。
「事実婚(内縁)」にも、それに準じた保護がある場合があります。

しかし、その手前にある「単なる同棲」には、法的なセーフティネットがほとんどありません。

特にシングルマザーの場合、あなたには守るべきお子さんがいます。
「愛があれば大丈夫」という感情論だけでは乗り切れないトラブルが、現実に多く起きています。

今回は、同棲生活に潜む法的なリスクと、それを回避するための知恵について解説します。

「内縁(事実婚)」と「単なる同棲」の境界線はどこ?

法的なトラブルになった際、最初に争点となるのが「二人の関係は『内縁(事実婚)』だったのか、それとも『単なる同棲』だったのか」という点です。

法律が守ってくれる「内縁」とは

法律上の「内縁」と認められれば、関係解消時に、離婚と同じように財産分与や慰謝料(浮気など、相手が関係解消の原因を作った場合)を請求できる可能性があります。

内縁と認められるためには、一般的に以下の2つが必要です。

  1. 婚姻意思:お互いに「夫婦として暮らしていく」という合意があること。
  2. 夫婦の実態:家計を共にしている、長期間同居している、親族や職場にパートナーとして紹介している等の事実。

守ってもらえない「単なる同棲」

一方で、「結婚の約束はしていない」「生活費は別々(財布は別)」「とりあえず一緒に住んでいるだけ」という状態だと、法的には同居人に近い扱いになります。

 この場合、どれだけ長く住んでいても、別れる時に財産分与は請求できません。

「結婚を前提に」と言っていたとしても、それが口約束だけで実態が伴っていなければ、法的な保護を受けるハードルは高いというのが現実なのです。

一番多いトラブル!「お金」の貸し借りとうやむやな生活費

同棲解消時に最も揉めやすいのがお金の問題です。
「生活費として渡していたお金を返せと言われた」「彼氏の借金を肩代わりしていた」といったトラブルは後を絶ちません。

「出したお金」は返ってこない?

たとえば、あなたの家に彼が転がり込み、食費や光熱費をあなたが多めに負担していたとします。
別れる際、「これまでの食費の半分、〇〇万円を払って」と請求できるでしょうか?

法的には非常に困難です。

同棲中の生活費の負担は、特に取り決めがなければ「贈与(あげたもの)」や、共同生活を送る上での当然の出費とみなされやすく、あとから「不当利得(法律上の原因なく利益を得ていること)」として返還請求するのは、証拠がない限り難しいケースが大半です。

「貸したつもり」vs「もらったつもり」

彼にお金を渡す際、「貸す」と言ったかどうかも重要です。

「来月返すから」と言われて貸したのに、借用書がなければ「あれは生活費としてもらったものだ」と主張されたら、水掛け論になりかねません。

考えられる対策

  • 大きなお金を動かす際は、パートナーであっても必ず「借用書」や、最低でもLINE等の履歴を残す。
  • 生活費の分担ルール(家賃は彼、食費は私、など)をあらかじめ明確にし、共通口座を作るなどして管理する。

子どもと彼の関係

法的な問題以前に、繊細な問題なのが彼とお子さんとの関係です。

覚えておいていただきたいのは、「同棲相手には、あなたの子どもの親権も扶養義務もない」ということです。

また、元夫との間で「共同親権」となっている場合、新しいパートナーとの同居がお子さんの環境にどう影響するかについて、元夫への配慮や調整が必要になるケースもあります。

「しつけ」をする権利はありません

悲しいニュースを耳にすることもありますが、同居相手が「しつけ」と称して子どもに手を上げるケースがあります。

法律上、親権者ではない彼には、子どもを教育したり指導したりする法的な権限はありません。

現在の民法では、実の親であっても体罰は禁止されています。
ましてや他人である彼が「しつけ」と称して手を上げることは、法律上も許されない暴行・虐待にあたります。

相続権もありません

万が一、同棲中に彼が不慮の事故などで亡くなった場合、正式に結婚していなければ、あなたは彼の相続人ではありません。

また、仮にあなたと彼が結婚していたとしても、養子縁組をしていない限り、あなたの子どもは彼の相続人にはなれません。
したがって、彼名義のマンションなどで同棲していた場合、彼の親族(法定相続人)から退去を求められる可能性があります。

転ばぬ先の杖:「パートナーシップ契約」のススメ

「なんだか怖くなってきた…」と思わせてしまったかもしれません。
しかし、これらは「知っていれば防げるリスク」です。

二人のルールを作る「契約書」

お互いに真剣であればあるほど、生活のルールを文字にしておくことをおすすめします。

たとえば、以下のような項目です。

  • 家計について:生活費、家賃、貯金の分担についての明確なルール。
  • 同居解消時の取り決め:別れることになっても、次の住居が決まるまで(または子どもの学期末まで)は居住を認める、など。
  • 子どもへの接し方:教育方針のすり合わせや、暴力・暴言の禁止。

万が一に備える「遺言書」

さらに、万が一の時に住まいを守るためには、二人で交わす「契約書」だけでは不十分なことがあります。

彼が亡くなった場合に、彼の親族(法定相続人)に対して権利を主張するためには、「遺言書」を残してもらうことがより確実な方法です。

たとえば、「私が死んだら、マンションは彼女(あなた)に遺贈する(あるいは住み続けても良い)」という遺言があれば、法的な効力は格段に強まります。

まとめ

人を好きになることや、誰かと一緒に暮らしたいと願う気持ちは、とても自然で尊いものです。

しかし、生活を共にしていれば、きれいごとだけでは済まない場面も出てくるかもしれません。

そんな時、今回お話ししたようなリスクを「頭の片隅に置いておく」だけでも、きっと結果は違ってくるはずです。

法律を知っておくことは、相手を疑うことではありません。自分と、そして何より大切なお子さんの生活を守るための、ちょっとした「知恵」や「お守り」のようなものだと思ってください。

新しい生活が、あなたとお子さんにとって、心穏やかで笑顔あふれる毎日になりますように。

※本記事は2026年2月時点の法令に基づき執筆されています。個別の事案については弁護士等の専門家にご相談ください。

アディーレ法律事務所神戸支店 弁護士 神野由貴
https://www.official.adire.jp/profile/kanno_yuki/

アディーレ法律事務所

「より身近な、より依頼しやすい法律事務所へ。」
https://www.adire.jp/challenge/

全国拠点一覧

【北海道】
札幌・旭川・函館・釧路・苫小牧・帯広
【東北】
青森・八戸・盛岡・仙台・郡山
【東京】
池袋本店・新宿・立川・北千住・町田
【関東】
横浜・川崎・横須賀・大宮・川越・千葉・船橋・柏・水戸・宇都宮・高崎
【東海】
名古屋・名古屋栄・岡崎・静岡・浜松・沼津・岐阜・津
【北陸・信州】
新潟・長岡・長野・松本・金沢・富山
【関西】
大阪・なんば・堺・枚方・京都・神戸・姫路・奈良・滋賀草津・和歌山
【中国・四国】
広島・福山・岡山・高松・松山
【九州・沖縄】
福岡・小倉・久留米・長崎・佐世保・熊本・大分・鹿児島・那覇

無料法律相談

シングルマザー協会メンバーの皆さまには、特別に法律相談を実施しております。

法律を知っておくことで生活に役立つことがたくさんありますので、お気軽にご相談ください。

相談方法:
相談方法:電話ないしWEB会議
※Web会議はTeamsを利用します

相談時間:
概ね30分程度

回数:
1回のみ(2回目以降は有料となります)

お受け出来る分野

  • 家事事件(離婚、親権、面会交流、養育費等)
  • 交通事故事件
  • 労働問題(残業代、不当解雇、パワハラ、セクハラなど)
  • 借金問題
  • B型肝炎給付金請求について
  • 相続放棄(遺産相続分野)
  • SNS等における投稿記事、投稿コメントの削除請求、投稿記事、投稿コメントを発信者の情報開示請求(インターネット権利侵害分野)

申し込み等詳しくはシングルマザー協会にお問合せください。

日本シングルマザー支援協会より

アディーレ法律事務所の弁護士先生の専門家のコラムです。ぜひ知識を増やしてくださいね。知っていると得することはたくさんあります。
働くことも同じです。知識を増やして、知っていることを増やして得してください。

メルマガ内で「法律コラム」をいち早くお届け。当メンバーの皆さまへ必要な情報を提供して頂きます。

メンバー登録はコチラ登録・会費無料。あなたに寄り添うメルマガをお送りします