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子ども連れでは行けない・外せない用事がある、仕事で子どもが迎えに行けない、体調を崩したなど、子育て中の様々な場面で悩む「子どもをどこに預けよう・・・」。

近くに頼れる家族や託児所がないとき、信頼できる友人が子どもを預かってくれると本当にありがたいですし、助け合いの精神が大切になってきます。

でも、トラブルに発展することも多いので、安易な「預ける・預かる」は禁物です。

■ 預けた子どもがけがをしてしまったら?

そもそも、子どもを友人に預けて面倒を見てもらうことは、法的には、準委任契約という契約が成立し、預かった友人は、職業や社会的地位等から考えて通常期待される注意義務を負います(善管注意義務)。

これは、契約書の有無や有償・無償を問いません。

今回のように、子どもを善意で預かるときは、プロの保育士のレベルまでは求められないものの、家庭で子どもの面倒を見る上で通常期待される注意を払う義務を負います。

居眠りをしたり様子をちゃんと見ていなかったなど、この注意義務を怠り、不注意で預かった子どもにケガをさせてしまったときは、友人は契約違反で損害賠償責任を負い、治療費や慰謝料を払わなければいけません。

 

この注意は一律ではなく、預かった子どもの年齢や状況に応じた対応をすべきです。

触ったら危ないものがあるときに、赤ちゃんに「触っちゃダメ」と言っても触ってしまいますよね。
実際に触ってケガをしてしまったときは、不注意があるとされ損害賠償請求できると考えられます。

 

仮に友人に不注意があったとしても、予想外の行動を子どもがとったとか子どもにも落ち度があってケガをしたということなら、お互いに責任があるとして過失相殺され、賠償額が減る可能性があります。

 

買ってあげたお菓子の代金は?

準委任契約では、委任事務を処理するのに必要と認められる費用は、頼んだ人に請求できるとされています。

預かる時間帯や時間数にもよるでしょうが、それなりの時間子どもを預かるときは、おやつ等は必要費用として認められることはありえます。

 

高価なもの壊してしまったら?

預けた子どもが、わざともしくは不注意で友人宅の高価な食器を壊してしまったときは、不法行為となり損害賠償責任を負うので、弁償しなければいけません。

でも、おおむね12歳未満の責任能力のない子どもの場合、子ども本人に責任を負わせることはできず、監督義務者である親が責任を負うとされています。

ただ、高価な食器を子どもが壊してしまったことからすると、保管方法が適切でなかったり、壊されやすい場所に出ていたかもしれませんよね。友人にも落ち度があると認められると、過失相殺がされ、弁償額が減額されることもあると思います。そもそも、子どもを預かる以上、簡単に触れられないように予め対処しておくのが、お互いのために賢明ですね。

 

さいごに

シングルマザーとして子育てをする上で、ママ友間での助け合い、付き合いは大切ですが、トラブルの元もたくさん隠れています。

とはいえ、法的には賠償等を請求できるとしても、現実には請求しないことの方が多いでしょう。

ご友人同士でいきなり「賠償請求」なんて、したいと思う方はほとんどいませんよね。こじれてしまって、どうしようもなくなった時の最終手段として、覚えておいていただければと思います。

アディーレ法律事務所 弁護士 正木裕美
https://www.adire.jp/profile/masaki_hiromi/

 

日本シングルマザー支援協会より

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