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【危険も多い夏の「ちょっとだけなら…」。~最高の夏休みを楽しむための心構え~/アディーレ法律事務所 横浜支店・弁護士:高 誠学】

はじめまして

はじめまして。弁護士の高誠学といいます。今年も夏がやってきました。僕は夏が大好きです。海とか花火とかお祭りとか。

僕の職場がある横浜では、夏のイベントが盛りだくさんです。気づいたら、どこかで花火が打ちあがっています。

サンダルやクロックスで出かけて、花火を見ながらお酒を飲むのも楽しいし、人の少ない綺麗な商業施設で涼みながらスマホを見るのも好きです。

他にも「夏だし、湘南とか鎌倉のほうにもアウトドアしたい!」と思うこともあります。

そういう時には、車の利用を考えます。

実際、この時期は、僕のようにレジャーなどで車移動を考える人や、お盆で帰省する人も多いため、交通量が増加傾向にあるようです。

また、夏は他の季節に比べて特殊ですよね。夏休みで元気いっぱいの子どもたちが日中に路上にいたりして危ないし、開放的な気分だったり、暑かったりすることで集中力の低下や熱中症のリスクもあります。

そういう環境の変化にも気をつけないといけませんよね。夏は、さまざまなリスクが上昇傾向にあります。

この記事では、夏にしてしまいがちな、いろいろな「ちょっとだけならいいよね…?」という考えに基づく危険な行動と、それを回避するための心構えを紹介します。

大事なお子さまを絶対に事故に巻き込まないためにも、この季節に気をつけたい安全運転のポイントをおさえていただければ幸いです。

危険も多い夏のドライブ。「ながら運転」はどこから?

運転をしている時、常に緊張感を持っていないといけません。

ただ、道がまっすぐで単調だったり、渋滞で全然進まなかったりすると、運転していても緊張感が薄れがちになってしまいますよね。

そのため、ついついスマホを見たり、操作したくなってしまったり、はたまた別のことに注意を向けてしまったりすることも…。

しかしこれらは、いわゆる「ながら運転」になります。

「ながら運転」は非常に危険な行為です。

「ながら運転」が原因で死亡事故が発生した事例も多くあります。

道路交通法には、人身事故を起こしたことを罰する条文とは別に、「ながら運転」そのものを罰する条項(第71条第5号の5)もあるんです。

条文を簡単にご紹介すると、自動車等を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話等を使用したり注視したりしないことといった内容が記載されています。

まず、①「ながら運転」をすると、もうそれだけで6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が課されます。

さらに、②「ながら運転」をして事故を起こすと、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が課されます。

反則金を納めて罰則を免れるということもできず、免許停止となります。

何より、事故によって誰かが傷ついてしまうことが、一番辛いことですよね。

車を運転するときには絶対に「ながら運転」はしないでください。

走行中は、常に運転に集中してくださいね。

「ながら運転」にあたるとされる行為とは

では、具体的に「ながら運転」はどんな行為をいうのでしょうか。

たとえば、走行中にカーナビを見るのもいけないのでしょうか。

そんなことはないですよね。

通知音が鳴ったスマホに一瞬だけ目を向けてしまうのはどうでしょうか。

また、道路交通法には、たとえば「食べることに夢中になりながら運転したらダメ」だとか、「メイクに夢中になりながら運転したらダメ」だとか、そこまで細かく書いてあるわけではありません。

けれども、そんなことわざわざ書かれてなくても、ダメに決まっていますよね。

実際、地域によっては、条例で細かく明記の上、禁止している場合もあります。

そうなってくると、何がいけなくて何がいいのか、わからないと思われるかもしれません。

しかし実は簡単なことで、「やっていいことと悪いこと」の線引きを考えるのではなく、常に安全運転を心がけるだけでいいのです。

そうすれば自然と、安全運転とはいえない行為が、道路交通法違反になることがとわかりやすくなると思います。

「○○したら法律違反になる」、「○○したら法律違反にならない」ではなく、「事故を起こさないんだ!」という心がけを目指したいですよね。

法律を意識する以前に、安全運転を徹底するためにも、”スマホの電源を切って、手の届かないところに置く”といった工夫をしてみてください。

飲酒運転は犯罪!

冷たいビールの最高の肴ってなんでしょうか。

僕は、夏の暑さこそ、最高の酒の肴じゃないかと思います。

ビアガーデンとかで、スタミナ料理と一緒に飲むキンキンに冷えたビールやサワーは最高ですよね。

ただ、当たり前ですが、お酒を飲む日は絶対に車を運転してはいけません。電車などを利用しましょう。

飲酒運転がどんな悲劇を巻き起こすか、多くの人にとっては当たり前の認識になっていることと思います。

「お酒なんて汗と一緒に抜けるだろう」、「少し休んだら大丈夫だろう」といった考えは絶対にいけないんです!

飲酒運転に対する処分や罰則

「酒気帯び運転」や「酒酔い運転」といった言葉を聞いたことはありますか?

まず、「酒気帯び運転」について説明します。

ビニール袋等に息を1リットル吐き出した状態を想像してみてください。

その袋にアルコールが0.15mg以上含まれていれば、酒気帯びです。

アルコール濃度が0.15mg以上~0.25mg未満の場合は、違反点数13点となり、前歴がない方で免停90日、前歴がある方は免許取消しとなります。

0.25mg以上の場合は、違反点数25点となり、前歴がない方でも免許取消し(欠格期間2年)となります。

これは行政処分ですが、刑事罰もあります。

アルコール量の区別なく、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となってしまいます。

次に、「酒酔い運転」について説明します。

これは、酒に酔って運転が困難な状態で運転することです。

つまり、ふらついていたり、視覚がぼんやりしていたり、言動がおかしくなっていたりといった状態を指します。

アルコール濃度は関係ないため、お酒の弱い人であれば、たとえ0.15mg未満でも「酒酔い運転」に該当することがあります。

行政処分上は、違反点数35点となり、免許取消し(欠格期間3年)、刑事罰上は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

「飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!」の徹底

「飲酒運転で、最悪の事態を引き起こしてしまったら…」と考えるだけでも恐ろしいですよね。

あまりに辛く、目をそむけたくなります。

しかし、そういう恐ろしい可能性からも目をそむけないことが、事故を起こさないためには必要です。

また、仮に事故を起こさず他人に迷惑をかけなかったとしても、お酒を飲んで運転していること自体が違法行為なので、「飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!」を徹底してくださいね。

ほんの数分、ほんの数メートルの運転であっても、絶対にやってはいけません!

実は違反!サンダルでの運転

海水浴などへ出かける際に「ちょっとそこまで」とサンダルを履いて運転することもあるかと思います。

夏は、涼しいサンダルやクロックスを履きたくなりますよね。

しかし、サンダル等で運転することも危険だとして、道路交通法違反になる可能性があります。

道路交通法第70条では、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と明記されています。

また、地域によっては条例で、運転に支障をおよぼす履物での運転はしないよう記載していることもあります。

サンダルは、かかとが固定されてないため、とっさにブレーキを踏めない危険性があります。

かかとが固定されているタイプのサンダル等であれば道路交通法違反にならない可能性もありますが、とっさの運転操作に影響がないことが重要です。

ただ、そうはいってもスニーカーなどのシューズ類のほうが安心です。

ブレーキを踏みやすい履き物で運転することを日頃から心がけておくと良いと思います。

子どもの車内放置にも注意

ママだけならすぐに済む用事も、子どもがいるとすごく時間がかかってしまいますよね。

「子どもがさっきまで泣いていて、せっかくぐっすり寝てくれた」、「そのまま車内で寝かしつけて、パっと用事や買い物を済ませてしまいたい」。

そんな気持ちもすごくよくわかります。

しかし、これもすごく危険な行動です。

「ちょっとだけなら」、「つい、うっかり」で大切なお子さんを危険な目に合わせてしまう可能性もあります。

最愛の子が、最悪のケースに至ってしまうことにも思いをおよばせないといけません。

置き去りにした場合の保護者の罰則とは

保護者が子どもを放置し、その結果、子どもが怪我や病気もしくは死に至った場合、保護責任者遺棄致死罪(刑法第218条)や重過失致死罪(刑法第211条後段)で、厳しく罰せられます。

保護責任者遺棄致死罪は3か月以上5年以下の懲役です。重過失致死罪は、5年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金とされています。

刑罰以前に、最愛の子がそんなことになってしまったら、あまりに辛く、あまりに悲しいですよね。

いや、そんな言葉では表現できないかもしれません。

だからこそ、「ちょっとだけなら」なんて誘惑には負けず、大変なことですが、チャイルドシートからおろして、一緒に買い物に連れて行ってあげて下さい。

子どもを守るために頑張ることは、本当に大変ですが素敵なことだと思います。

車内に放置された子どもを見つけたら

もし“駐車場で子どもが車内に放置されているのを見かけた”という場合には、まずはその付近に保護者(車の持ち主)がいないかを確認してください。

すぐ見つからない場合は、その駐車場のある施設のサービスセンターや係員にその旨を報告するか、警察に通報するのがいいと思います。

街中で見つけた場合も、やはり警察に通報するのがいいと思います。

車内に放置されている子どもが、「暑さで泣き叫んでいる」、「汗だくでグッタリとしている」など、助けを待つ猶予がなく明らかに一刻を争う場合は、窓ガラスを破壊して即座に救出するほかありません。

ただ、急を要するケースではないのに他者の車の窓ガラスを破壊した場合、器物損壊罪等となる可能性がありますので、「窓ガラスを破壊するしかない」と思った場合でも、一度、警察に電話をかけて、自分がどういう行動をとるべきか確認しておくのが良いと思います。

人間に限らず、ペットが車内に放置されているのを見かけた際も助けてあげましょう。

ペットも人と同じ生き物で、家族です。

(関連記事⇒もうすぐ夏休み!海のレジャーで気を付けたいこととは?)

まとめ

さて、今回は自動車に関連して「ちょっとだけなら…」という意識がもたらす危険な結果について説明してきました。

自分には関係ないと油断してしまうことも「ちょっとだけなら大丈夫」という危険な意識につながってしまいます。交通事故は、被害者だけでなく、事故を起こした人の人生も変えてしまいます。楽しい夏の思い出を残すためにも、気を引き締めて過ごしましょうね。最後まで読んでいただきありがとうございました。

弁護士 高誠学
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