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どうしてお得?ふるさと納税のことを知って節約生活をしちゃいましょう! /アディーレ法律事務所 弁護士:高 誠学

はじめに

年の瀬も押し迫り、めっきり寒くなってきました。今年は円安が進み、生活用品や食材の値上げラッシュで家計にもかなり影響がありましたよね。こうした物価の高騰が続くなか、節約生活にぜひとも活用したい制度があります。それは「ふるさと納税」制度です。

今回は、「ふるさと納税って聞いたことあるけどよく分からない」という方にこそ読んでいただき、ぜひふるさと納税制度を家計の助けとして利用してほしいと思います。

ちなみに!今月末までに申請すると、来年度の所得税・住民税の控除を受けることが可能です!

ふるさと納税とは?

ふるさと納税というのは、あなたが全国のうちどこか応援したい自治体に寄付をすると、①税金の控除を受けることができ、②希望をすれば返礼品をもらうことができるという仕組みです。

返礼品には、豪華な肉や魚、消耗品や宿泊券などがあるので、返礼品の内容で寄付先の自治体を選ぶのも一つの手でしょう。なかには、アニメとコラボした返礼品などもあり、バリエーション豊かで、どれも欲しくなるものばかりです。また、寄付したお金の使い道もあなたが選べますから、ダイレクトに寄付先の地域に貢献しているという実感も得やすいと思います。

寄付のお返しとして地域の特産物などを楽しめるうえに、税金の控除が受けられるのは、とても魅力的ですよね。

法律的にはどういう仕組みで税金が控除されるの?

ふるさと納税の法的根拠は、地方税法第37条の2(寄附金税額控除)、第314条の7(寄附金税額控除)および所得税法第78条(寄附金控除)です。

ふるさと納税は、税法上は「寄付金」として扱われ、寄付した金額に応じて控除を受けることができます。寄付した金額から2,000円を引いた金額が、所得税・住民税から控除されるのです。

具体的に説明しますね。

たとえば、あなたが毎年2万8,000円の所得税・住民税を納めているとします。あなたは「今年からはふるさと納税を利用しよう」と考えました。そして、希望する自治体に2万8,000円を寄付しました。そうすると、2万8,000円-2,000円=2万6,000円が税金から控除されることになります。

ここで「あれ、2万8,000円を寄付したのに、控除は2万6,000円だけ? 2,000円は損していない?」と思われるかもしれません。しかし、実は大きな得があるのです。

それは、返礼品です。2万8,000円の寄付に対して、返礼品がもらえるのです。返礼品の価値は寄付金額に対して3割以内になるように設定されますから、返礼品の価値を8,000円としましょう。

そうすると、2万8,000円を寄付として支払った代わりに、2万6,000円の税金控除と8000円分の品物を受け取っているので、(2万6,000円+8,000円)-2万8,000円=6,000円分得をしていることになります。

利用の流れ

では、ふるさと納税はどのように利用したらいいのか、流れを見ていきましょう。

  1. ふるさと納税のポータルサイトなどで、寄付をしたい自治体を選び、寄付をします。その自治体にゆかりがなくても大丈夫です。あなたの出身地も関係ありません。
  2. その自治体が用意した返礼品のなかから、あなたの希望する品をピックアップします。なかには、「返礼品はいらないよ」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合、返礼品を受け取らないことも可能です。
  3. 寄付をした自治体から、あなたのもとに返礼品が届きます。
  4. 確定申告をすると、寄付をした翌年に、寄付金額から2,000円を引いた金額が、所得税から控除されます。

なお、寄付できる金額は、年収や家族構成によって異なります。所得によって税金の金額が異なるのと同じです。

確定申告とワンストップ特例制度

一定の条件を満たすと、ふるさと納税の確定申告が不要になる「ワンストップ特例制度」を利用できます。ワンストップ特例制度を利用すると、所得税ではなく住民税から控除を受けることができます。

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税のメリットは、税金の控除を受けながら、返礼品をもらえることです。

「ふるさと納税」は「節税」とは違います。節税とは、適法に税金の額を減らすことです。しかし、ふるさと納税は、税金の額が減るわけではありません。ここまで解説したように、ふるさと納税をすると、寄付金額のうち2,000円を超える部分が、所得税・住民税から控除されます。つまり、2,000円を超える部分の金額を、翌年の税金として先に支払っているということです。

先ほどの例でいうと、「2万8,000円寄付しても控除額は2万6,000円だから、むしろ2,000円損しているんじゃない?」という見方もできますよね。ですが、ふるさと納税をすることで、税金の控除を受けながら、豪華な返礼品をもらえると考えれば、その分お得だと思います。

その他のメリット

ふるさとやゆかりのある地域を応援できる

ふるさと納税では、自分の生まれた場所ではない地域に寄付ができるとご説明しましたが、もちろん自分の生まれた地域に寄付することもできます。つまり、生まれ育った場所を遠く離れて生活されている方が、遠く離れた故郷に納税できるというわけです。まさに、“ふるさと”納税ですよね。自治体は寄付金が税収となりますから、寄付を通じて自治体やそこに住む方たちを応援できます。

全国の特産品を楽しめる

ふるさと納税の返礼品は、寄付先の自治体からあなたへの感謝の気持ちを表すお礼の品です。特産品や宿泊券、食事券など、魅力あふれるお礼の品が用意されています。全国各地の特産品を楽しめるのは、やはりふるさと納税の醍醐味ではないでしょうか。

寄付金の使い道を指定できる

ふるさと納税では、寄付金の使い道も自分で選べます。そのため、子育て支援、動物愛護など、あなたの寄付金が有意義に使われていることをダイレクトに実感できるのも、魅力の1つです。

ふるさと納税する際の注意点

控除限度額を超えると自己負担になる

寄付金額には上限があります。上限額は、寄付する年の年収や家族構成などによって異なります。

上限額を超えて寄付すると、その分は自己負担になってしまいます。そのため、ご自身の寄付金上限額は事前に確認しておきましょう。

また、年収が103万円以下の方は寄付金控除がなく、税金の控除が受けられないケースもあるので、注意が必要です。

締め切り日に注意

税の軽減は「1~12月」の年単位で取り扱われます。そのため、来年(2023年)の所得に対する税の軽減を受けようとした場合、今年(2022年)の1~12月中にふるさと納税をする必要があります。

具体的には、2023年の控除対象となるふるさと納税は、「受領証明書」に記載されている受領日(入金日)が2022年12月31日までのものです。受領証明書は寄付先の自治体からもらえます。

また、寄付をしたその年は控除を得られません。寄付金に加えて税金も支払うので、初めて寄付したその年の負担感は大きくなってしまうかもしれません。そのため、家計には注意しましょう。

また、年内に申し込みをしても、入金手続などに時間がかかると、今年の寄付金として処理できなくなるケースも考えられるので、ゆとりを持って行動されることをおすすめします。

寄付後に手続が必要

ふるさと納税で税金の控除を受けるには、ご自身で税金控除の申請手続を行う必要があります。申請手続を忘れてしまうと、税金の控除を受けられず、全額自己負担の寄付になってしまうため、注意しましょう!

申請手続には、①確定申告と②ワンストップ特例制度の2種類があり、それぞれ対象者の条件や手続方法、手続期限が異なります。

たとえば、パートで働いている方の場合、会社が年末調整を行ってくれるため、確定申告をするのは面倒です。そこで、寄付した自治体の数が5ヵ所以内であれば、確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が利用できます。

実際にふるさと納税を行う際の手続方法は自治体によって異なるので、ふるさと納税先として選んだ自治体のホームページ等でご確認いただくか、直接各自治体に問い合わせてみてください。

名義が異なると控除されない

ふるさと納税をすることで所得税・住民税の控除が受けられますが、控除を受けられるのは納税者です。

たとえば、夫の扶養に入っている妻が、夫のクレジットカードを使って、注文者・配送先を自分の名前にしてふるさと納税を申請したとします。この場合、クレジットカードが夫の名義でも、注文・配送先が妻の名義のため、納税者と名義が異なり控除が受けられなくなってしまいますので、注意してください。

(関連記事⇒離婚時の不安要素!財産分与や慰謝料、養育費に税金はかかる?)

まとめ

この記事では、ふるさと納税と節税に関してお伝えしてきました。

ふるさと納税の楽しみ方は、当然ながら人それぞれです。お子さまの好きなものを返礼品として選んだり、普段は買わない豪華な食材を返礼品として選んだり、便利な生活用品を選んで楽しんだりと、さまざまな活用方法があります。もちろん、どれかひとつに絞る必要はなく、控除上限額を計算し、半分は豪華食材、もう半分は生活用品という選び方もあるでしょう。これから、ふるさと納税を予定している方は、参考にしてみてください。

ちなみに、私の生まれ育った地元は、ふるさと納税制度により大幅な減収となってしまったようです…。それを聞いて「私も地元にふるさと納税しなければ」という気持ちに駆られるのですが、魅力的な特産品のある地域が多く、迷ってしまいます。

これまでお伝えしてきたとおり、ふるさと納税は節税になるわけではありませんが、返礼品をもらえることを考えると、とてもお得な制度です。大好きな土地と、寄付を通して繋がることができるというのも、大きな魅力だと思います。

ぜひ、ふるさと納税を活用して、各地の名産品などを楽しんでみてくださいね。

弁護士 高誠学
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