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2023年の祝日はいつ?国民の祝日はどうやって決まる? /アディーレ法律事務所大阪支店 弁護士:大塚 拓実
はじめに
明けましておめでとうございます。2023年において一番初めの祝日である「元日」を皆さまどのように過ごされたでしょうか。
私は人生で一度も四角い箱に入った「おせち料理」を食べたことがないのですが、果たして今年こそは念願かなって食べることができたのでしょうか…!?(執筆時、2022年12月)。
ところでこの「元日」ですが、国民の祝日について定めた「国民の祝日に関する法律」によると、新しい一年を無事に迎えることができたことに感謝、お祝いする日とあります。
堅苦しいイメージがありがちな法律ですが、「元日」について、わかりやすく、平易な言葉で上記のように定めています。
このほか、同法律には国民の祝日が全部で16日定められているのですが、それぞれに制定された由来があり、様々な意味が込められています。
皆さまやお子さまが家庭や職場学校などで少し自慢できるように、このようなユニークな由来や意味を含む祝日についてご説明いたしますので、このコラムで知ったことを様々な場所で披露していただければ嬉しく思います。
なおその際、このコラムを読んだことは内緒ですよ。
祝日とは?
祝日とは、先ほどの「国民の祝日に関する法律」によると、「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」とされています。
なんという壮大な理想でしょうか。確かに私は弁護士という職業上「自由と平和」は求めていますが、「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげ」ているかどうかはとても不安です。
そのような私みたいな国民であっても、祝日は休日とされ、お休みすることが認められているようです(このコラムを読んでくださっている皆さまには当然に認められていますので、ご安心ください)。
そして、現在ある祝日は、日本古来の四季や自然に関する考え方、そして日本の伝統文化を由来とするものが大半を占めています。
例えば、「元日」は年始に天皇が国の繁栄を願う儀式を行っていたことを由来とすると考えられていますし、「海の日」や「山の日」は、日本は海と山々に囲まれ、多大な恩恵を受けてきたことから、それに感謝する意味が込められています。
どんな祝日がある?
現在祝日は16日定められていると言いましたが、2023年の祝日の日程と簡単な意味をまとめてみました。
- 元日(2023年1月1日)
新しい一年を無事に迎えることができたことに感謝、お祝いする日。 - 成人の日(2023年1月9日 ※1月の第2月曜日)
おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝う日。この日には、「青年男女に国家社会や世界人類のために尽くそうとする自覚を持ってもらいたい」という願いが込められています。 - 建国記念の日(2023年2月11日)
建国をしのび、国を愛する心を養う日。実際の建国日ははっきりしていません。 - 天皇誕生日(2023年2月23日)
天皇の誕生日を祝う日。 - 春分の日(2023年3月21日 ※春分日)
自然をたたえ、生物をいつくしむ日。 - 昭和の日(2023年4月29日)
激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日。この日には、「大きな戦争から経済的復興を遂げた昭和の時代を覚えておこう」という意味が込められています。 - 憲法記念日(2023年5月3日)
日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する日。日本国憲法は昭和22年5月3日に施行されました。 - みどりの日(2023年5月4日)
自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ日。 - こどもの日(2023年5月5日)
こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日。 - 海の日(2023年7月17日 ※7月の第3月曜日)
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日。四面を海に囲まれた日本は、海と親しみながら今日まで築きあげてきました。 - 山の日(2023年8月11日)
山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日。日本の国土の大半は山であり、私たちは日々、多くの山の恩恵を受けて生活しています。 - 敬老の日(2023年9月18日 ※9月の第3月曜日)
多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日。 - 秋分の日(2023年9月23日 ※秋分日)
祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日。 - スポーツの日(2023年10月9日※10月の第2月曜日)
スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う日。 - 文化の日(2023年11月3日)
自由と平和を愛し、文化をすすめる日。 - 勤労感謝の日(2023年11月23日)
勤労をたっとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう日。
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誰が決める?どうやって決まる?
祝日は時代とともに変化します。
明治時代には、「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」という布告によって、皇室の祭典が行われる日を「祭日」、国及び国民一般の恒例の祝い日を「祝日」と定めていました。
この時代は天皇こそが国の主役であるという天皇主権の考え方が強かったことから、昔の祝日は皇室の伝統と深い関係があったと考えられます。
しかし、第二次世界大戦で日本は負け、国の主役は国民であるという国民主権の考え方を採用した新しい憲法の下、祝祭日について再検討されることになりました。
1948年に「国民の祝日に関する法律」ができ、祭日がなくなり、祝日だけになりました。天皇主権から国民主権への移り変わりが、祝日のあり方にも影響を及ぼしたのでしょう。
「国民の祝日に関する法律」ができたとき、祝日は1年のうち、たった9日でした(日本人はやはり勤勉だった…?)。
その後、建国記念の日、敬老の日、体育の日(現在のスポーツの日)、みどりの日、海の日、昭和の日、山の日が制定され、現在は16日あります(休める…!先人達に感謝しています…)。
どの日を祝日にするかは、国民主権の考え方の下、国会で国民の代表者が話し合って決めます。
16日の祝日のうち、一番新しい祝日は「山の日」ですが、「山」というとTHE日本という感じがするので、今まで定められていなかったのが不思議な感じがします。
どうやら「山の日」の前に制定された祝日は「海の日」なのですが、「海の日があるなら、なぜ山の日がないんだ!」という意見が提出された経緯が制定に関係するようです。
今後、時代にちなんだ新しい祝日がどんどん出てくるかもしれませんね。
一時期「デジタルの日」が制定されるのではないかと話題になったときがありましたが、実現までは至っていません。
ちなみに、祝日が何日になるかは、前年の2月1日に国が発表します。
まとめ
思い返せば、私が小学生のころ、「海の日」が近づいてくるともうすぐ夏休みが近いということで、とてもワクワクしていました。
「こどもの日」が近づいてくると、こどもの日なのだから、子どもの私は何か欲しいものを買ってもらえると勝手に解釈して楽しみにしていたり、「スポーツの日」(当時は体育の日でした)は住んでいる地域対抗の運動会が小学校で開催されており、かけっこで活躍している姿を妄想してドキドキしていたり、大人になった今より子どもだった昔の方が、祝日に対して特別な思いを持っていたと思います。
今は弁護士という職業柄、祝日が休みではないこともあるため、祝日の行事に参加することはなかなか難しいですが、祝日は一年の移り変わりを感じさせてくれる目印でもあり、気持ちの切り替えにちょうどいい時間ですので、祝日の持つ意味や成り立ちに思いを馳せて過ごしてみようかと思いました。
子どものときの祝日の記憶が今でも色褪せることなく私の中に生きていることを考えると、祝日は普通の日とは違う、特別な日だったのだと改めて感じさせてくれます。祝日は、これを読んでいるお母さま、お父さまたちが、お子さまと何かをするには、一生の記憶に残る思い出作りのためのとてもいい機会なのかもしれません。
アディーレ法律事務所大阪支店 弁護士 大塚拓実
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