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はじめに

子どもの発育や心身の問題など、育児をするなかで「不安だけど、誰にも相談できない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

また、仕事や家事に追われて気持ちの余裕がなく、子どもに笑顔で接することが難しくなってしまっている方もいらっしゃるかもしれません。

そのような悩みをより多くの方が気軽に相談できるよう、児童福祉法が改正され、2024年4月に施行されます。これにより、子どもはもちろん、子育て世帯への支援体制も強化される予定です。

そこでこの記事を通して、どのような支援体制の強化が行われ、子育てをとりまく環境が変わるのか知っていただき、お役立ていただければと思います。 

児童福祉法とは

「児童福祉法」は、子どもが健やかに成長できるよう、子どもの福祉・権利を守るための法律です。

保護者をはじめ、国民全体や国・地方自治体に「子どもの権利を守ること」を義務づけています。

児童福祉法は、児童虐待防止、障がい児支援、養子縁組などのほか、保育全般や母子保護の支援について定めており、子育て世帯に深く関わる法律であるといえるでしょう。

なぜ児童福祉法が改正されたのか

児童福祉法は、時代の変化に合わせ、これまでも改正を繰り返してきました。

今回の改正の背景には、以下のような問題があったとされています。

  • 周囲に頼れる人がおらず孤立している母親が多いこと
  • 地域の子ども・子育て支援事業が支援を必要としている子ども・世帯に十分に利用されておらず、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に表面化してきたこと
  • 児童虐待相談対応件数の増加

今回の改正は、子どもへの包括的支援体制の強化を目的とし、厚生労働省によって児童の権利擁護や児童相談所の設置促進・体制強化などの取り組みが明示されました。

児童相談所設置促進に関しては、改正後5年を目途に支援や措置の設置状況・児童虐待の状況を検討し、結果に基づいて新たな施策を実施する方針を示しています。

児童福祉法の主な改正のポイント

児童福祉法改正における主なポイントは、子育て支援強化、虐待防止・児童相談所の体制強化、18歳以上の自立支援の強化などです。

子育て支援強化としては、子育て世帯への支援の充実を図るため、こども家庭センターの設置や、こども家庭ソーシャルワーカーの運用などが挙げられています。

虐待防止・児童相談所の体制強化においては、児童相談所における子どもの意見聴取の仕組みが整備されました。

また、一時保護開始時に司法審査を導入したり、保育・教職の性犯罪データベースを構築したりと、児童を守るための環境の整備も進められます。

さらに、18歳以上の自立支援を強化する取組みとして、児童養護施設や障がい児入所施設入居者の支援を22歳まで柔軟に運用することとしています。

児童福祉法改正で子どもや子育て世帯にとって何がよくなる?

特に大きなポイントとして、自治体において、18歳までの子どもに関するあらゆることを相談できる「こども家庭センター」の設置が努力義務化されることがあります。

すでにこども家庭センターを設置している自治体もあり、この先も環境の整備が進めば、妊産婦、子育て世帯、子どもがもっと気軽に悩みを相談できるようになるかもしれません。

また、児童相談所が行う措置などの各段階で、子どもの意見の聴き取りが実施されますし、児童相談所が一時保護をするときに、適正性・透明性を確保するため裁判官による司法審査が導入されます。

従来は、虐待ではなく事故による怪我などだった場合も、保護者が反論の機会なく長期的に親子が引き離されることになっていました。

しかしこのような方法は、緊急性が高い場合に子どもの安全確保につながる一方、子どもの権利条約違反の観点から問題視されていたのです。

今回の改正により、一時保護要件を明確化したうえ、事前(緊急性が高い場合は事後)に裁判官が発行する一時保護状に基づいて実施されることになりました。

そのため、従来の問題点が克服されているといえます。

その他、児童養護施設や障がい児入所施設で暮らしてきた児童に関して必要に応じて22歳まで支援が延長されるほか、自治体の移行調整の責任、生活・就労相談の場の提供について明確化されました。

児童福祉法では「児童」を18歳未満と定めており、児童養護施設や障がい児入所施設による支援が終了するタイミングとなっています。

しかし、実際には18歳から住居や収入を確保して完全に自立した生活を送ることは難しく、柔軟な支援や適切な支援先へつなぐ必要性が指摘されてきました。

今回の改正は、この必要性にも配慮がなされたものといえるでしょう。

まとめ

今回の児童福祉法改正では、子どもの支援のみならず、子育て支援の包括的な強化が行われます。

子どもや子育て世帯へのサポート事業が拡充し、より柔軟な支援が受けられるようになるでしょう。

子どもの発育や心身の問題など、育児をするなかで困ったことがあれば、ためらわずに自治体に相談してみてください。

アディーレ法律事務所熊本支店 弁護士 守山直輝
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児童福祉法が改正!子どもや子育て世帯への支援はどう変わる?